重箱のすみ

アイドルとの距離感の取り方は、いつまでたっても難しい

どうせ何をしても新規なのだから、もっと素直な新規になりたかった。

「派閥崩壊して本当によかった」

こんな言葉を聞くたびに、本当に胸が痛くなる。

(この時点で、「あっこの人とは合わないな」と思ったらリターン推奨です。せっかく来て下さったのにいつもごめんなさい)

 

そりゃ、もちろん、私だって、キスマイが色んなグループとわちゃわちゃしているところを見るのは嬉しい。何より去年のFNSうたの夏祭りの感想で、「大事な時期にSMAP以外の先輩と共演できないのはデメリットの方が大きい」と書いたのは、他でもない私自身だ(FNSうたの夏祭り雑感 ―2分半でハートを射抜け―)。だから、色々な先輩と交流できるようになって良かったねって、思っているのは間違いないんだけれども。

それは、どうしても、誰かの立場や名誉を犠牲にしなければ成り立たないものだったのでしょうか。

 

どうしてジュリー派と飯島派は、実質共演NGの状態が長く続いていたのか。メリー&ジュリー*1が飯島さん及びSMAPをハブっていたという説もあれば、そもそもSMAPの「ジャニーズ感」を薄くして一般層にも受け入れられやすくするために、後輩との共演を切り始めたのは飯島さんの方だという説もあります。今となっては真相はわかりません。

真相がわからない状態で色々言うのも良くないとはわかっていますが、でも、今のこの現状は私はやっぱり納得できません。近年SMAPの直属の後輩のような立ち位置で、飯島班の代表格とも言えるキスマイが多くのグループと共演できるようになった姿は、ある意味で派閥崩壊の象徴です。だからみんな「派閥崩壊して本当に良かった」「派閥が無い世界は素晴らしい」「今まではなんだったんだ」って口々に言う。確かに仰るとおりです。けれど、もし、ジュリー派と飯島派の共演NG状態が、メリー&ジュリーの意向で始まったものだとしたら。飯島さんが辞めた途端にこういう状況を見せつけて、「派閥があったのは飯島のせいだ」と言えるような状況を作り上げているんじゃないかって思ってしまうんです。今の状況を喜んで、肯定してばかりいると、「派閥を作ったあの人がいなくなって良かったね」っていう論調になりかねないと思って、それが怖いと思ってしまうんです。だって、もし、飯島さんは共演させたいと思っていたのにそれが叶わない状況で、でも自分が辞めたらとたんに共演OKになって、そして多くのファンから悪者扱いされて、それに反論する機会も与えられないのだとしたら、あまりにも、あまりにも不憫すぎませんか。

 

私が今一番情熱を費やしているグループはKis-My-Ft2です。けれど、私が小学生のころから13年間、途中でちょっと興味が薄れてしまった時期もありましたが、それでも今までずっと好きで、私を形作ってくれた根幹はSMAPです。だからもう、現状が本当に苦しいです。キスマイにSMAP以外のグループと交流させてあげてほしいとずっと思っていた。でもそれがこんな形になるとは思わなかった。

キスマイが好きなのに、キスマイを中心に見ているのに、それでも色々なグループとの共演が多くなってくると、お願いだから遠くに行かないでくれと思ってしまう。SMAPファンの立場として、SMAPを置いていかないでくれと思ってしまう。この感情は何なんだろう。説明が出来ない。

あと最近とみに実感するのは、飯島班っていうのは良くも悪くも本当に「ジャニーズっぽくない」ところが特徴だったんだろうなってことで。実際のパフォーマンスレベルがどうこうっていう話ではないですよ。なんて言うのかな、やっぱり、初心者にも親しみやすい雰囲気を出してくれていると思うんですよね。以前、北山さんと千賀さんがラジオで、「俺らはジャニーズの先輩よりも芸人さんと遊ぶ方が多い」みたいなことを言っていたと思うんだけれども、一方で最近はジャニーズの先輩・後輩の名前をどんどん言うようになって言って、あぁ本当に色々変わってるんだなぁって。でも、なんていうのかな、もちろん私はデビュー組のグループと個人名くらいは言えるけれども、その人のキャラまではわからないし、当然グループの歴史とかもわからない。だからそういう話が多いとどうしても、気持ちが引いてしまうところがある。「私、何にも知らないし…知っていたらもっと楽しいんだろうなぁ…」って。

今日のFNSうたの夏祭り3部、JUMPとキスマイのわちゃわちゃしてる場面を見ていてもそう思った。あぁ、これは、ジャニーズの歴史を知っている人向けだ。私が見ても、そういう人達と同じような感銘を受けることは出来ないんだと。今まで、ありがたいことに、あんまりそういう、蚊帳の外にいるような感覚になったことなかったんです。

 

もう本当にめんどくさい。自分がめんどくさい。あまりにもめんどくさすぎて鬱になる。どうしてこういうことしか考えられないんだ。わからなきゃわからないでいいじゃないか。「CM前のJUMPとキスマイがわちゃわちゃしてるシーン可愛かった☆」でいいじゃないか。どうしてそれができないんだろう。どうしてそう思えないんだろう。性格も思考もねじ曲がっている。

でも、きっと、私みたいなことを考えた人は、きっといるはずで。そしてそれを、キスマイだってわかっていてくれるはずで。わざわざ2回も舞祭組のポーズしてアピールしてくれた二階堂さんはきっと、みんなの思いを代表してそれをこちらに伝えてくれている。ありがとうね、本当にありがとう。めんどくさい私のことを拾い上げてくれてありがとう。

 

どうせ何をしても新規なのだから、もう少し静かで素直で可愛い新規になりたいものです。いちいち、考えなくてもいいことまで考えて、わざわざ深読みして傷ついて、こんな時間に長文書いて、私は一体何のためにアイドルファンやってるんでしょうか。訳がわからない。客観的に見て、こんなめんどくさい性格の私は、アイドルファンなんて辞めた方がいいのでは?と本気で思う。

けれど、そんな負のスパイラルに陥る私を拾い上げてくれるのも結局彼らなので。

ローラーで軽やかに滑って、歌い踊って、ふりまいてくれるその笑顔に、言葉で表しようがないくらいドキドキして、キュンとして、大好きだなぁって改めて思って。

こんな理屈っぽい私にも、キスマイを見てると、思考を飛ばして、感情にダイレクトに訴えかけてくれる瞬間があるからこそ。もっと見ていたい、ここで離れたくない、この瞬間を信じたいって思うんだ。

 

……話が飛びすぎて、もはや、何のためにブログを書き始めたのかもわからなくなってきたので、

そろそろSMAPとキスマイのコラボをお願いします!!!

と叫んで終わりにします。

 

 

……久しぶりの更新がこんなんですみませんね……。

次こそは楽しいこと書きますね……(←信用できない)

 

*1:相変わらずのコンビ名感

出口の見えないレールに乗ってみよう ―最近の宮田さんのマザコンキャラについて―

実は以前から、少し気になっていることがあった。

中居はこんなに長いことキスマイに関わっているのに、実は未だに、宮田の扱い方が定まっていないのではないか?ということ。

私が見る限りの個人的な印象だけど、中居はKis-My-Ft2と番組で接する時に、一人ひとりのキャラや特性を把握してイジリ方を変えている。普段クールに見られる藤ヶ谷・玉森には2人の本来持っているポンコツさや可愛らしさが見えるように引き出し、北山には徹底的に厳しく当たりツッコミや返しのワード待ち。ニカ千も同じように、喰らいついてくるのを待っているけれど、北山よりももっと「プロレス」ができるように育て上げているような印象。その結果、二人はご主人さまの周りを喜怒哀楽豊かに駆け回る小型犬のように成長した。そして横尾は一番中居によって人生を変えられた人。踊れない、歌えない、コメントできない。そんな持ち味があるのに隠しているなんてもったいないと、無理矢理皮を引き剥がされて現在のキャラが確立した。

それなのに、なんだか、中居は宮田に対して、無関心だったり放任しているような印象だった。いや、むしろ他のメンバーが、中居に手をかけてもらいすぎているのかもしれない。普通はいくら先輩とはいえ、ここまでキャラを確立するように方向づけてくれることなんてなかなかないし、宮田への距離感くらいが当たり前なのかもしれない。それはわかっているんだけど、それでも、なんだか違和感があった。

ある時から何となく、私は、「中居は宮田の扱いに苦戦しているのではないか」と思うようになった。あの百戦錬磨の中居が、どう見ても玉ヶ谷よりもバラエティに向いているはずの宮田の扱いに、苦戦しているのかもしれないって。オタクキャラを確立して、キスマイの中でバラエティ的な路線を一番早く開拓したのは宮田なのに、中居はどうもその路線に乗らず、アニオタいじりをすることはほとんどない。それは、中居がアニメに詳しくないからとか、そういう理由だけでは説明がつかない何かがあるような気がしていた。

 

ここからは完全な私の憶測何だけれども、多分、簡単に言ってしまうと、中居は宮田に対して、イジり甲斐がなかったんじゃないだろうか。

宮田は他のメンバーよりも最初からバラエティ適性が高くて、自分で振って落として完結することができてしまう。だからそこに他人が入り込む余地がない。アニオタキャラも、最初から「キモい」に終結するように本人が持っていってるし、何よりそれが見ている側にもわかってしまう。

そんな宮田に対して、中居は最近マザコンキャラをつけ始めた。それは何気ないトークのシーンで宮田がさりげなく言った、「お母さんのこと好きですね」という一言を中居が掘り下げ、どれくらい好きかとか、一緒の布団で寝れるかとか、根掘り葉掘り聞き出したことがきっかけだった。なるほど、ここに金脈を見つけたか。マザコンキャラなんて、ファンの中にもイメージがないと思うし、宮田本人だってそんなことになるとは思っていなかっただろう。けれど中居は、本人が気付いてないところ、本人が狙っていない展開、そこを掘り下げることにこそイジり甲斐があると思っているのだろうな。

中居は以前、MCのこだわりを「僕がゲストをいじることによってその人の可愛げを引き出したい、可愛い人だと思わせたい」的なことを言っていた気がする*1。そこなんだろうな。宮田のことを「キモい」だけではなく、「キモいけどなんか可愛い」に持っていくためのレールに乗せた。半ば無理矢理。

そしてこれは、宮田にとっても新しい挑戦になるのではないだろうか。今までは「キモい」でわざと自分を下げて笑いを取っていて、自分が思う通りに展開できる線路を敷いていた。でも、一旦それを置いて、自分にも先の展開が予測できないルート・出口の見えないレールに乗せられた。というか、乗ることに本人が決めたんだよね。さぁ、どうなるか。

 

適当な事ばっかり書いていてすみません。

このルートが本当に金脈かどうかわかんないけど、とりあえず、宮田さんがマザコンキャラを無理に作っておらず、苦痛に感じていないことを望みます。本人にとっては当たり前のことを言っているのにそれが他人にとっては面白い、っていうのが中居の狙いだと思うからね。

とりあえずはアニオタキャラがあるから、他のメンバーのキャラを立たせることを優先していたように見える中居が、最後の最後に宮田さんの可愛さを引き出すことについに着手したように見えます。その開拓が始まったところを見られるというのが楽しみ。

ただ、今のところ中居と舞祭組の共演が一番多いMomm!!という番組自体が、迷走していて(あるいは何らかの事情があって)、沈没しそうになっているように見受けられるので、その開拓を最後まで見届けられるか若干不安なのですが……。まぁこれはまた別の機会に書くこととします。

 

出口の見えないレールは、どこにつながっているだろうね。

 

(余談。久しぶりにメンバーの敬称を抜いてみましたが、やっぱりなんかダメだ落ち着かない。イキってる感じがしちゃう。次回から戻します…笑)

 

*1:すみませんこれ出典が見つからないんです…割と最近の雑誌だったと思うのですが

自分の作ったストーリーを超えてゆけ

久しぶりの更新になってしまいました。4月は急激に職場の環境が変わったことに対する精神的な余裕の無さなどで、なんというのかな、「アウトプット欲」というのが全然なくなってしまいまして。色々な番組を見て感じたことはあったのですが、それを書きたいと思うまでに至りませんでした。

そんな中、先日、1ヶ月以上遅れてやっと、3/29放送の『UTAGE春の祭典2時間SP』を見ました。そしたら色々と書きたいことが出てきて、私のアウトプット欲が久々に喚起されまして。もはや時間が経ち過ぎているのですが、久々のブログはこちらの話にしようかと思います。

 

初めに私のスタンスを明確にしておくと、私はSMAPも中居*1もキスマイも大好きだけれど、UTAGEという番組は正直に言って好きではない。もちろん、毎回舞祭組の新しいパフォーマンスを見せてくれて、色々なことを挑戦させてくれることに対しては本当に有り難いと思っているけれど、それ以外の要素でどうにもひっかかることが多すぎる。例え、出演者が好きでも、感謝していても、だからといってその番組の全てを肯定する必要はないと思っているし、だから今後もするつもりはない。けれど、やっぱり、UTAGEって一面的なことでは判断できなくて、すごいなと思わされる部分もあるのだ。

それは何よりも、『ストーリー性』を全面に打ち出すところ。

今回の2時間SPを見ても顕著だけれど、とにかくUTAGEは、「シンプルにパフォーマンスする」なんてことをほとんどしない。毎回、そのパフォーマンスをするアーティストの舞台裏を放送し、本番に至るまでどれだけ苦労してきたかを強調する。グループ内で些細な揉め事があろうもんならそれを膨らませて深刻にして放送する。そうやって、パフォーマンス自体に過剰な意味づけ・ストーリー付けを行う。

さらに一例としては、以前のSPの際に、山口百恵さんの「いい日旅立ち」を、この曲を作詞した谷村新司さんと、百恵さんの息子である三浦祐太朗さんが一緒に歌うというコラボを行っていたり。一時代を築いたモーニング娘。OGと、モー娘世代ど真ん中のAKBが一緒に踊るコラボだったり。そうやって、過去と現在をつなぐストーリーを作っている番組だ。

初めは、シンプルにパフォーマンスを見せてくれるだけではダメなのだろうかと思い、こういう過剰なストーリー性に疑問があった。でも、見続けてみて、これだけ音楽番組が減少してしまって、最近のヒットチャートに興味がない人も増えてしまって、「音楽文化」というものが世の中の中心ではなくなった時代に、それを復権させるとしたら、やはりこうして、ストーリー性を喚起することが効果的なのだろうなと思った。こうすることで、音楽に興味がない人の心に、ドキュメンタリー的な意味づけをして入り込んでいくことが重要なのだろうと。

今回のスペシャルでも、最後に男性アーティスト全員でChageさんと一緒に「YAH YAH YAH」を歌ったところなんてその最たるものだった。諸事情でこれが表立って歌えなくなってしまったChageさんとともに、「歌に罪はない」とばかりに、笑顔で、歌えるという事実。さらに、中居とつよぽんがこの歌を歌っている姿を見て、「色々あったよね!!!大変だったね!!!私も一緒にアイツを殴りに行きたいよ!!!」などと思ったりして(笑)(誰かは言いません)。まぁこうやって、ストーリーがあるからこそ、余計に音楽が人の心を打つのだろう。音楽は、メロディーラインがどうとか、コード進行がどうとか、そういうことだけで語れるものではないんだろうな。

 

ただ、普段のパフォーマンスはそれでいいけれども、「バトタイム」の時にまで、こういう過剰なストーリー性を持ち出すのは、どうしても納得できなかった。

バトタイムは、2組がパフォーマンスをして勝敗をきめるものだけれども、その投票の基準は「どちらが心を掴まれたか」という、実に曖昧なものだ。ダンスや歌の上手・下手だけで判断するものではないという。けれど、そういう場にストーリー性を持ちだしてしまうと、パフォーマンスよりも、「どちらのストーリーがインパクトあったか」というエピソード対決になってしまうと思ったのだ。

だから、今回の千賀さんのピアノがバトタイムだと知った時、率直に言って、本当に嫌だった。今回の放送前に、Momm!!内で事前特番のようにしてSPに挑む出演者の舞台裏が紹介されていたのだが、以下はその中で、千賀さんのピアノ対決がバトタイムだと紹介された時の私のツイート。

 

 

私はピアノのバトタイムと聞いて、どうしても、前回のバトタイム*2を思い出さずにはいられなかった。川畑さん&千賀さんの対戦相手は、T.M.Revolutionさん&乃木坂46生田絵梨花さん*3。彼女は幼少期からピアノを習っていて、抜群の腕前で、ハッキリ言って、ピアノ歴半年ほど*4の千賀さんが勝てるわけなどないのだ。本番の演奏でも、千賀さんはミスを連発してしまったが、生田さんは緊張しながらも完璧な演奏。普通に考えれば、技術だけで見れば、生田さんが勝つことは明白の内容だった。

けれども、スタジオにいたお客さんは千賀さんに票を入れた方が多かった。それは、ストーリー性を打ち出していたこの番組ならではの結果だろう。中居は投票前に、「『どっちが頑張ったでしょう対決』じゃないですからね。エンターテイメントとして魅了することが出来たのかが大切です」と言っていたけれど、それは無理な話というか。何よりもUTAGEという番組自体が、パフォーマンスに至るストーリーまで含めたエンターテイメントを行っている。ピアノ初心者で、間違いも多くて、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、必死に最後まで頑張り抜いた千賀さんが、ストーリーも含めて勝ったということだ。

けれど、何よりも、誰よりも、本人がそれに納得していなかった。千賀さんは結果が出た直後、涙を浮かべながら「勝ってすみません」と言った。勝ったのに「すみません」。言わば、『ストーリーで勝たせてもらってる』ということを、誰よりも本人が、よくわかっていた。そういう評価をされたかったわけじゃないだろうに。完璧な演奏を見せたかっただろうに。

悔しそうだった。納得できなさそうだった。居心地が悪そうだった。そして、ピアノを弾くことが苦しそうだった。そんな姿は見ていてつらかった。だからバトタイムは好きじゃない。今回も同じようなストーリーが繰り広げられるならまっぴらごめんだ。

 

……と思っていたんだけど。

その翌週、同じく、Momm!!内でUTAGEの事前特番のようなことをやっていて。そこで発表された千賀さんの対戦相手は、二階堂さんだった。今回のSPのこの企画まで、本番の2週間前まで、ピアノに触れたことすらない生粋の初心者。言ってみれば、一年前の千賀さんと同じ立場だ。今まで『ストーリーで勝たせてもらってた』千賀さんが、今回はそのストーリーが使えない。そういう相手に勝てることができるか、というのが今回のストーリーだ。

あぁ、そう来たか、やられた。想像もしていなかった。

まぁなんというか率直に言って、こういうところは、「上手いな」って思わざるをえなかった。私のような素人が考えるストーリーをあっさり超えられてしまった。UTAGEのスタッフ陣の皆様はやっぱり、良くも悪くも、『ストーリーを描くプロ』なんだなぁと、思わざるをえなかった。

対決直前、 自分の対戦する相手が二階堂さんだとわかった瞬間の千賀さんの表情がリアルだったなぁ。3秒くらい固まって、状況を飲み込んでからやっと表情をゆがませて、「一番相手にしたくなかった奴」だと正直に吐露する。自分の作ってきたストーリーが違う人に行くという面もありつつ、さらにその人が何よりも、自分に一番近い所で常に切磋琢磨してきた唯一無二の仲間でライバルだということもあるんだろうな。

 

動揺しながらもステージに上がる千賀さん。またもやプレッシャーにつぶされそうになっていて、演奏直前はどうなることかと思ったけれど、でも。演奏が始まったら、それは杞憂だったとすぐにわかった。ちょっと危ういところはあるけれども、とても落ち着いて一つひとつの音を大切に弾いていて。川畑さんの歌と一体になっていて、心からこの音楽の魅力を表現しようとしていることが伝わってきて。そして、何より、楽しそうだった。もう「初心者が頑張っている姿で感動を呼び起こす」というストーリーは卒業だ。そういうことではなく、音楽そのもので感動させてくれた。自分の作ったストーリーを超えて行った瞬間だった。

今までの千賀さんのピアノ演奏の中で、一番美しくて、一番心を打たれたよ。

本当に素敵だった。

対戦相手の二階堂さんの演奏も、本当に素晴らしくて、二週間前に初めてピアノを触った人とは思えなかった。対決の結果としては、千賀さんの勝利だったんだけど、それは努力の量を比較しているものではないと思う。千賀さんが、自分の過去のストーリーを脱却して、純粋に演奏だけで人の心を打ったことが、評価されたんじゃないかなと思います。

……ただ、まぁ、もっと言ってしまうと、「『頑張っている初心者』ということで評価されていた人が練習を重ねて、ついにそのストーリーを脱却して音楽だけで評価されるようになった」ということ自体が大きなストーリーになってしまうような気もするのですが……。でも、こう考え始めると延々とこういう考え方が続いてしまうので一旦ここでやめます(笑)

 初心者ということで、これまで、上手くできなくても多めに見てもらっていたところが多々あったはずで、でも本人はそれを良しとしていなかったはずで。今回やっとそのストーリーを卒業できたからには、これからはもっともっとピアノを楽しんでほしいな。その本人の楽しさが、音にそのまま反映されて伝わって行くような、そんな演奏になるといいななんて、無責任だけどそんなことを思っています。本当にお疲れさまでした。

 

ここからは余談ですが、今回のUTAGE!SPのゲストはつよぽんで。私が小学生の時からずっと大好きだった人で。そして、千賀さんと二階堂さんもつよぽんのことを「かっこいい」とか「憧れ」とか「理想の演技をする方」的なことを何度も雑誌で言ってくれていて。そんなつよぽんがスタジオで、このニカ千のピアノ対決を見ていてくれて、「ニカちゃんと千ちゃんが頑張っていたから自分も頑張らなきゃ」という内容の発言をしてくれたことが感無量でした。

OPのつよぽんと舞祭組のダンスもとってもカッコよくて大興奮で、あぁ、また、早くスマキスコラボが見たいなと思ったんでした。難しいかもしれないけど、大切なことだからもう一回言います。そろそろスマキスコラボお願いいたします。

 

結局、散々文句を言っていても、最後には楽しまされてしまう。

UTAGEはやっぱり、一言では言い表せない。

本当に難儀でトンチキでズルくて酔狂で、だけど楽しい番組です。

 

*1:ちなみに私は中居のことを中居と言いますが、それはある種、中居のことを歴史上の人物のように捉えており、敬称が逆に不自然に感じるからです。織田信長のこと「信長さん」って言わないでしょ。ペリーのこと「ペリーさん」って言わないでしょ。そういう感じです(?)

*2:2015/3/31

*3:UTAGE! バトタイムで生田絵梨花は感動させた千賀健永に負けた – 乃木坂46の情報

*4:その当時の時点で

「極端」だから、だからあなたが好き ―千賀さん25歳のお誕生日によせて―

千賀健永さん、25歳のお誕生日おめでとうございます。

 

私がどうして、千賀さんを一番に応援するようになったのかというと、とってもざっくり言うと、

「元々キスマイの中で一番顔がタイプで、本格的に彼らを見るようになった後に『Thank youじゃん!』初回AのDVDの企画でメンバーに感謝していることを言う時に全く嫌みなくストレートにメンバーの好きなことを言って、言われたメンバーの方が照れて何も言えなくなっているのを見ても満足そうにしているところを見て『何この人…ピュアすぎる…かわいい……』と思ってしまったから」

という感じです(ざっくり言いすぎ)。

なんですけれども、千賀さんのどこが好きなのかと言われると、上手く説明できない自分がいました。大好きなんだけれど、何が好きなのかよくわからない。それは同時に、千賀さんがどんな人なのかというのを、一言で言い表せないということでもありました。色々な場面で、色々な表情を見せてくれたけれども、それを一つの言葉でまとめるのは難しい。その時々で全部違うから。この魅力はどう言えばいいんだろうって、ずっと思っていました。

 

そんな中で一つのヒントになったのが、あるラジオ番組での発言でした。千賀さんは名古屋出身ということで、ソロで東海地域のテレビやラジオにお呼ばれする機会が多くなってきて、その度にいろいろなお話が聞けて、とても嬉しく思っています。

1/24に放送された、東海ラジオの「上からも下からもねね!」という番組では、笑いを交えつつもかなり切り込んだお話をしてくれました。その中で、パーソナリティのねねさんに「ジャニーズの先輩で、こんな感じになりたいなっていう目標とする先輩は?」と聞かれた時に、千賀さんはこう答えていました。

嵐の櫻井翔くんと、2人いるんですけど…中居さん。

僕の中では正反対なんですよ。(中居さんは)バラエティとしてMCをやっている、そういうところに尊敬を感じてるんですけど、かたや櫻井くんはニュースキャスターとかで、政治的な部分も喋れたりする。

どっちも、尊敬してて。後々やっぱ、ニュース番組とかそういうこともやりたいですし、プラスアルファ、バラエティのMCもやっていきたいですしっていうところで、このお二方を。

 

……まぁ、邪推してしまうと、デビュー前にお世話になっていた嵐の名前も、デビュー後にお世話になっているSMAPの名前も出すことによって、その…なんというか、双方に配慮してバランスをとってるなっていうか(笑)←

そういう思いもあるんですけども、でも、二人とも尊敬してて、本当に憧れているというところに嘘はないんだろうなって思って。だけど私はそれにびっくりしました。まず、MCをやるというだけで大変なことなのに、正反対のタイプのMCをどっちもできるようになりたいって言うなんて。なんて欲張りなんだ。でも、それこそが千賀さんなんですよね。

これを聞いてやっと少しわかったような気がする。

「ひとつ」に定まらないところ、「ひとつ」に留まらないところ。一見正反対の要素が同居しているところ。それこそが千賀さんの魅力なんだって。

 

舞祭組なのに、本当は二枚目に行きたい。

キャーって言われることを狙ってるのに、いざカッコつけると恥ずかしくなっちゃう。

カッコいい自分を見せたいと思うのに、舞祭組の活動も大切にしたい。

最年少というポジションが好きなのに、早く大人になりたい。

天然なのに、MCがやりたい。

場を盛り上げるために思ってもいないこと言っちゃって、言っちゃった後に後悔する。

メンバーのことを思って寝ないで手作りのアクセサリーを作ったのに、その場のウケを狙って「経費削減のため」なんて言っちゃう。

最近では、メンバーのことを大切に思っているのに、「メンバーと一緒にいるバラエティはやりづらい。アウェーで一人でやるほうがいい」なんていう発言もあって、何か…遅れてきた反抗期なのかな…?みたいな(笑)

 

一見すると、こんな感情が一人の人間の中に同居しているなんて信じられない。

けれど、なんて言うのかな、

多かれ少なかれ、人間ってこういうもんなんじゃないかな、とも思うんです。

よく、性格診断テストとかであるじゃないですか。「大勢でいるよりも、一人でいるほうが好きだ(はい・いいえ)」みたいなやつ。私こういうのって、「いや、その時々によるだろ!!どっちもあるよ!!決められないよ!!」って思っちゃうんですよね(笑)。

きっと、人にはそれぞれいろんな面があって、それは時と場合によって多様に変化して、一つに定まるものではなくて。現状に満足する思いもあれば、隣の芝生が羨ましくなることもある。

だから、現実と理想のギャップでもがいて戦っている千賀さんは、ある意味、人間っぽいなって思うんです。悩んでいたり、苦しんでいたり、悔しがっていたりするのがすぐにわかる。全部顔に出てしまう人。もしかしたらそれは、「美しくてキラキラしているところを見せる」ことが求められるアイドルという立場としては、あまり褒められたことではないのかもしれない。

でも私は、そんなあなただから好きなんだ。

美しくてキラキラしたところばかりではないけれど、苦しんで、もがいて、その後に見せてくれる笑顔が本当に素敵だから、勇気をくれるから、だからあなたが好きです。

 

昨夜放送の、「ミになる図書館」で、千賀さんは後輩のジャニーズJr.の安井くんと渡辺くんに色々と裏の顔を暴露され、「ビジネスで三枚目を演じている」というような発言を中居に「だっせー」なんて言われていたけれども(笑)、やっぱり一番ひどかったのは、中居からのアドバイスの言葉を忘れるっていう一件ですよね(笑)

以前、中居からアドバイスをもらったのに、それを忘れてしまって、後輩に『バラエティには徹底とナントカが大事』と言ったという話。収録中にその「ナントカ」の部分を思い出して、「あっ思い出した!良かった~」みたいなことを言っていて、「いや、思い出したから良かったねっていう話じゃないわ!」と思ったけれども(笑)、その千賀さんが忘れていた中居のアドバイスの言葉、それこそが『極端』だった。

そう、極端なんですよね。やりたいことが正反対なんだよ。千賀さんの中には「程よい」という言葉が無い。

ずっと見つからなかった、千賀さんの魅力を言い表す言葉。

『極端』だから、あなたが好きです。

 

いつかその焦りも、悩みも、苦しみも、全部笑顔となって返ってきますように。

素敵な思い出がたくさん生まれる一年になりますように。

 

エイベックスさんに提出したアンケートの下書きを公開してみます

1/20に発売された、Kis-My-Ft2のコンサートツアーの模様を収録したDVD&Blu-ray、『2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD』。コンサートの本編映像自体が楽しいのはもちろんのこと、盛りだくさんの特典を付けてくださっていて本当に幸せ。2週間ぐらいこればっかり見てずーっと楽しませてもらっていました。

さらに満足度が高かったのは、エイベックスさんがHPで、このDVDについての感想を直々に募集してくれていたことです。専用フォームを作って、意見を拾い上げてくれる徹底っぷり。やっぱり、感想や意見を届けるための場所を公式で用意してくれているというのは重要なことだと思います。自分の意見がすぐ活かされるかどうかは別として、公式が募集しているということで、自分は意見を言ってもいいんだって認めてもらえる感じがするから。そういう面で、細かいところまでフォローが行き届いていると思いました。

そのアンケートは、最初は「今回の特典の中で満足したものはどれですか。3つまで選んでください」という感じの選択式になっているんだけれども、その次が自由記述欄になっていました。私はそこに気合を入れて書きすぎた結果、

『文字数が多すぎます(2000字以内で回答してください)』

という表示が出てきてエラーになってしまいました(笑)

そのため、その下書きをwordに貼りつけて、1600字くらいまで削って再提出…したのに、なぜかそれでもはじかれる。もっと削ってもはじかれる……。そんなことを繰り返し、最終的に提出できたのは、wordでカウントした文字数で言うと約900字しかありませんでした。なんでこんなことに!2000字までいいって書いてあったじゃん!(笑)

そんな訳で、せっかく書いた元の原稿が、誰にも読まれずにこのままお蔵入りになってしまうのはなんかもったいないなーと思い、ここで公開してみることにします(笑)以下本文です。

 

 

今回私が一番好きだった企画は、通常盤の副音声でした。メンバーと一緒にライブを見ているような感覚を味わえて本当に楽しかったです。実際の映像を見ながら、メンバーが話しているのを聴けるのは、かなり貴重な体験だと感じました。

特に、9/20の公演での舞祭組の裏話を聴けたのはとても嬉しかったです。私はその日の公演に行かせていただいたのですが、二階堂さんが突然歌えなくなってしまって、何があったんだろうと気になってしまっていました。だから今回の副音声で、それがイヤモニのトラブルだったと知れて、その時にメンバー同士で助け合っていたところを見れて感動しました。さらに、本番中は全員テンパっていただろうに、そして完璧なパフォーマンスを見せられなかったことに対する悔しさもあっただろうに、それをお互いわかっていながらも笑いに変えることのできる絆にぐっときました。「マジテンパったんだよ」と言いながらも、本番では全員で力を合わせて乗り切ることができたのは、今までずっと一緒に色々な舞台を経験してきて様々なことを乗り越えてきた自信があること、そして、「これも生の醍醐味」と言い切る強さとポジティブさがあるからなんだと実感しました。

それ以外にも、千賀さんの振り付けの苦労とか、ローラースケートについての裏話を聞けたり。さらに、Kis-My-Venusの時に、全員で次のコンサートへの反省会みたいな感じになっているのもとてもよかったです。「暗くて見づらかったね」「もっと白とかグレーにして見やすくしたい」「もっとお客さんの近くで滑れるんじゃないか」って、どんどん意見を出し合っているところを聴けて、実際ライブを作り上げる時の打ち合わせもこういう感じでやっているのかなぁとわくわくしました。副音声の中でも言っていましたが、次回ここで言ったことが実現するところを見れるかもしれないと思うと楽しみです。

普段のバラエティ番組だと、メンバーのコメントはガンガン編集されて短くなってしまいます。それは番組のテンポを良くするために、いいコメントを残してだらけさせないようにするためだとはわかっているけれど、実際の時間の経過はわかりません。でもこの副音声では、3時間ずっとメンバーと一緒に同じ時間を過ごせた感覚になって、これは他の媒体じゃなかなかできないことなんじゃないかなって思いました。だから、気が早いですが、是非次のコンサートDVDでも副音声をやって頂きたいと思っています!

また、今回ブルーレイのマルチアングルがついたことも、すごく嬉しかったです。とても画質が綺麗だったので、実際にドームですごく性能のいい双眼鏡を使って好きなメンバーを覗きこんでいるような気持ちになりました。

ただ一つだけ要望があるのは、個人アングルだけじゃなくて、今後はALLアングルも入れてほしいということです!私はKiss魂の時のALLアングルが大好きで、最初から最後までずっとそれに固定して何度も見続けていました。映像作品としては、アップやカメラの切り替えが多かったり、足元だけを映すようなオシャレカットを入れなきゃいけないかもしれないけれど、7人のダンスとかフォーメーションをじっくり見るためには、やはり引きでずっと固定したカメラで撮ってくれる映像が一番だと思います。なので、本編映像はこれでもいいですが、ALLアングルはぜひ今後入れて頂きたいところです。もし物理的に難しいところがあれば、コンサート本番中に「if」のサビ部分でモニターでやっていたように、画面を7分割にして全員の動きを一度に見れるような工夫をして頂きたいなって思います。

その点で、最初から最後まで2人をずっと引きで撮り続けてくれる、ユニット曲の2shotアングルは最高でした。二階堂さんと千賀さんの「Double Up」では、最初は物理的に2人が一つのカメラにはおさまらなくて、画面が2分割になっていて、でも2人が近付いてきて最終的に同じ画面になる演出、とっても素敵でした。

特典の中でもう一つ嬉しかったのは、北山さんのロングインタビューでした。改めてグループやメンバーに対する思いとか、目標を話すのは恥ずかしかったかもしれないけれど、北山さんの現在の思いが知れてとても嬉しかったです。雑誌のテキストもいいけれど、やっぱり実際に映像として、音声として、ご本人が話しているところが手元に残るのは幸せです。今年は横尾さんが30歳になるので、ぜひ記念インタビューやってほしいです。そして、毎年メンバーが30歳の節目を迎える時に行う恒例企画になっていってくれたら嬉しく思います。

エイベックスさんには本当に本当に感謝しています。リリースのペースが安定していて、コンサートからリリースまでがこんなに速くて、しかもこんなに豪華な様々な特典を付けて楽しませてくれるなんて、本当に贅沢な環境だなと思います。ありがとうございます。

今年はキスマイデビュー5周年ということで、さらに様々な新しい企画で楽しませていただけることを願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

……と、色々書きましたが、実際にはここから大幅に削って提出したのでしたとさ(笑) 

とにかく副音声が本当に楽しかったので、副音声の感想ブログ絶対書きます!……いや、多分……いつか……。

 

 

2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD(DVD2枚組)(通常盤)

2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD(DVD2枚組)(通常盤)

 

 

 

 

ジャニーズ文化と "Me,We,Now"

先日発売された、TVガイドPERSON最新号の、横尾渉さんインタビューを読みました。この雑誌は少々お高めではありますが、まさに名の通り「人」に注目して、その人の目標や信念など深いところまで掘り下げたインタビューをしてくれるので、とても満足感があります。今回も楽しく読ませて頂きました。

去年11月の田口さん脱退発表だったり、年始からのSMAPのもろもろだったり。色々なことがある中で、私自身も色々なことを考えました。普通の人だったら、今の仕事が自分に合わないと思って転職活動をしたり、違う会社に行きたいと思って辞表を提出することはよくあること。それを止める権利は他人にはない。究極を言えば、アイドルだって同じであって。ましてや、まだ社会のことを何にも知らない10代の時に飛び込んだ世界に、これからもずっと身を置き続けると覚悟するのは相当なこと。自分の人生にふと迷いが生じる時があって当たり前だと思う。

でも、だからこそ、私達が望むことと、アイドル本人が望むことが合致するっていうことは、奇跡のようなもので、当たり前って思っちゃいけないんだなって最近すごく感じます。そんなことを考えていたところだったので、横尾さんのインタビューでの、『グループの大事さも、グループあってのソロ活動ってことも身にしみて分かる』『キスマイありきってことは絶対に忘れちゃいけない』っていう部分を読んでグッときました。今、一番嬉しい言葉です。

 

TVガイド PERSON VOL.42

TVガイド PERSON VOL.42

 

 

さて、この横尾さんのインタビューの中で、一点気になるところがあった。それは、インタビュアーの方が、『いつからか横尾さんは自分を解放したというか、荷物を下ろしたのかなという気がする』と問いかけていた。それに横尾さんは『勝手に自分で荷物を背負っていたんですよ、"俺がやんなきゃ"って』と答える。さらにこう続けた。

横尾:そんなにしっかりもしていないのに頑張ろうとして、いつしか自分で自分にプレッシャーをかけていた。多分、"最初"から何やっても出来るねって褒められたかったんだと思う。

――厳しい世界で生きてきて、"できない"という選択肢がなかったのかもしれないですよね。そうじゃないと、生き残れないって。

横尾:そうですね。でも、いろんなバラエティーをやらせてもらう中で思い知ったんですよ。俺、できないじゃんって。だからと言って、できないことが必ずしも悪いわけじゃなく、時に笑いになるってことにも気付けた。"最初からできなくてもいい"と思えたのは大きかったですね。

長めに引用してしまいましたが、続きはお読み頂くとして……

「最初から何やってもできるねって褒められたかった」とか「できないという選択肢がなかった」というのは、横尾さんの性格だけではなく、きっとJr.の頃というのは、そういうことが求められていたんだろうなと感じた。「最初から完璧であること」が正解だったんだろうなと。しかし、その『ジャニーズの美学』が、一般人にとっては高い壁に思える時もあるのだ。

(ここからは、ジャニーズにさして詳しくもない一般人の意見なので、事実とは違っているところも多々あるかとは思いますが、「こう見える人もいるんだな」くらいの感じで捉えて頂けると幸いです)

 

ある話を思い出した。

去年の4月20日、私はたまたまテレビで、堀江貴文氏が出演していた「しくじり先生」という番組を見ていた。ご存知の方も多いと思うが、しくじり先生は、過去にしてしまった自分の失敗談を自虐的に笑いを交えて語り、視聴者に同じ失敗をしてほしくないということを伝えるというコンセプトで作られたバラエティ番組だ。そこで堀江氏は、『世の中をなめすぎて逮捕されちゃった先生』という、だいぶセンセーショナルな肩書き(笑)で登場する。時代の寵児として華々しく活動し、企業買収や選挙出馬など様々な大きなことをやってのけるが、2006年に証券取引法違反で逮捕される。その頃のことを振り返り、堀江氏はある理論を紹介した。

それは「Me,We,Now」理論というもので、相手に自分の目標ややりたいことを伝える際には、<Me(私)、We(私達)、Now(今)>の3点を踏まえて話をするべきだという。以下は、放送の内容をまとめたニュース記事を引用。

「Me We Now 理論」の「Me」は自分を指し、自分の話をして相手との距離を縮める意識のことで、「We」はあなた(相手)と自分を指し、相手との共通点を見出して連帯感を作る意識、そして「Now」とは、今、自分がやりたいことを最終的に相手に訴えるのだという。
かつては堀江氏も、この理論を理解しておらず「私も『田舎出身で、苦労して大学に入って』とかっていう話をしなきゃいけなかった」と反省しつつ説明を続けた。堀江氏が「上場して巨万の富を得た、いけ好かないIT社長」と不信感を持たれ続けたのもそれが原因だったと自己分析した。
堀江氏は、当時は真逆の自分像があったといい「Now」だけで周りに伝わると信じていたことを明かし、当時のジレンマを語ると、改めて「Me We Now」の大事さを強調した。
そして堀江氏は、負け顔を見せれば見せるほど、バリアが無くなり、誰もが声をかけやすくなる、と力説すると「これだけ壮大にしくじった私が言っていることなので、間違いないです」と強調していた。

堀江貴文氏が“しくじり”を振り返り「負け顔」を見せることの大切さを力説 - ライブドアニュース

 

ちなみにこちらは別記事だが、堀江氏いわく、これはバラク・オバマ大統領が、自身の大統領選挙の際に使ったテクニックでもあったのだそうだ。

オバマ大統領はいかにして米国国民に語りかけたのかを、彼らは僕に理論立てて説明してくれました。「MeとWeとNow」、つまり、「私、私たち、そして今」という構成で語りかけたんだと。

バラク・オバマという人は、表面的に見るとスーパーエリートですよね。家はお金持ちで、高等教育を受けて、上院議員で、まあ見た目もよくて、非の打ちどころのない人間に見えるのですが、国民にそう見えてしまったら共感を呼べない。そこで、何ら特別な人間ではなくて、マイノリティ出身で、いろいろな苦労もして、ここまで上り詰めたんだ。みんなと同じ米国国民であり、そして今、米国は何をすべきかを訴えたわけです。

僕も表面的に見れば、進学校を出て、東京大学に入って、在学中に会社を始めて、うまくいって上場して、転落した人という、パブリックイメージはそんな感じでしょう。でも、それだとやっぱり伝わらない。

ホリエモンが、今どうしても伝えたいこと | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 

私は、しくじり先生のこの箇所を見ていた時、とても納得した。堀江氏が時代の寵児として颯爽と登場し、様々なチャレンジをしていた頃、私はまだ高校生だったのでなにがなんだか詳しいことはわからなかったけれども、大企業に買収を仕掛けたり、選挙に出馬していたりして「すごい自信家」「なんか派手な人」「私とは違う」という印象を持ってしまっていた。もしそこで、上記の引用箇所のように、『私も田舎出身で、苦労して大学に入って……』という話をされていたら、彼に対する見方が全く変わったかもしれない。

 

なぜ横尾さんのインタビューを読んでこの話を思い出したのかというと、ジャニーズは「苦労しているところを見せない」というのが、一種の美学として成立しており、そこに至る過程を見せないから、この「Me,We,Now理論」を使って人を引き込むことができないと感じたからだ。

ジャニーズの皆さん、特にJr.の皆さんは、舞台やコンサートがほとんど全てで、そこで失敗するなんて許されない。その上、どんなに努力をしているかというのは直接的には明かされない。でも一般的には(特にテレビのバラエティは)そうではなくて、結果よりも、成長していく過程を見ることそのものがエンターテイメントになっていると思う。それは、舞台やコンサートが始まる時点で完璧に仕上げていなきゃいけないJr.の皆さんの価値観からすると、全然違うんだろうなって思ったのだ。

もちろんジャニーズのファンのみなさんは、彼らが努力して、もがいて、必死に成長しているのをわかっている。彼らが容姿だけで人気を集めているわけではないことをわかっている。さらに、その努力を表に出さないことが美学だという文脈をわかっていて、それも含めて応援している。けれど、一般層からしたら「隙がない」人には親近感を覚えにくいんですよね。そこに大きなギャップがある。

私は世間のジャニーズに対する風当たりは、少々厳しすぎるように感じられるんだけれども、その一因はこういうところにあるんじゃないかと思うのだ。「ジャニーズなんていけすかない」と思っている方々は、彼らが血のにじむような苦労をしているなんて知らない。恵まれた容姿で、恵まれた環境で、それを武器に女の子達にキャーキャー言われている人生楽勝モードのチャラチャラした人達だと。だからそんな人達が、「みんなに愛される人になりたい」とか「国民的アイドルになりたい」って言うと、「何を生意気な……」と思ってしまう。"Me" と ”We" が共有されていない時点で、これから何をやりたいかという "Now" を突然言われても、困惑してしまうのだ。

私も、キスマイを好きになるまではこの世界についてよく知らなかった。ジャニーズに入ったらみんなデビューが約束されているものだと思っていた。だから、Jr.の中でもデビューできる人達なんて一握りだということ、辞めていく人達もたくさんいること、ずっとこの芸能界で活躍できる未来なんて一切確約されていないこと、それでもそこを目指して頑張っている姿に惹かれるのだということ。本当に最近知ったばかりだ。先ほどの堀江氏やオバマ大統領の話のように、こういう話がもう少し表に出てくれば、一般層は「私と同じように苦労してるんだ、大変なんだ」って感じて、もう少し風当たりも弱まるんじゃないだろうか。最近はとみに、AKBを筆頭に「成長していくストーリー」を見せて、それで売るスタイルが定着しているように思える。特に女子アイドルは、総選挙の裏側とか、シングル選抜の発表とか、レッスンの様子とか、もう余すところなく裏側を公開されていて、その本人達の苦労や努力に惹かれて応援しはじめるケースも大いにある。

ジャニーズの美学を否定するつもりなどもちろんない。けれども、私はこの、「最初から完璧であることを求められる」というジャニーズスタイルが、今後どれだけ世間に通用していくのかなというのは、非常に興味深いところです。*1

 

ちなみに、これは余談ですけれども、SMAPがそういう強い風当たりを乗り越えて国民的人気者になった要因は、「ジャニーズらしさがないジャニーズ」というだけではなくて、結果として「Me,We,Now」を世間に伝わる形でやり遂げてしまったということもあるような気がします。もちろん、メンバー自身が「僕達こんなに苦労してきたんですよ」なんて表立って言うことはない。けれど、デビュー曲で1位を取れず、ジャニーさんに怒られたという話はもはや超有名。それ以外にも、メンバーの脱退、逮捕者が2人出てしまうという騒動、さまざまな困難がありながらも一つひとつそれを乗り越えていく姿が、意図しなくても広く知れ渡ってしまい、結果として一般層に対しては「ストーリーを共有する」ということが出来たというのも、成功の一因だったのかもしれないなと思います。*2

Kis-My-Ft2は結成からCDデビューまで6年。雑誌のインタビューなどでは、その長い下積み時代について触れられることが多いけれども、本人達がそれについて「大変だった」とか「苦しかった」と言っているのは、あまり見ないような気がします。私は好きになった当初、その「ストーリー売り」をしないところにびっくりしました。もっと苦労したことを全面に出しても良さそうなのに。でも、最近になって何となくわかった気がします。その理由は苦労を見せないという美学に加えて、「色々な先輩のもとで勉強させてもらった大切な時間*3」のような発言も多くて、きっと美学だけではなく、本当にそうやって、プラスに捉えてるんだろうなと感じられて。そういうところが、キスマイの好きなところだなぁって思います。

照れ屋さんの集まりなので(笑)、"Me"、"We"を語ることはあまりないけれども、そんな彼らがこれから成し遂げたいと思っている"Now"を、見逃さないようにしたいと思っているところです。

 

*1:もちろん、「世間一般の人なんか理解できなくてもいい」という考えの方もいらっしゃるとは思いますが、私は常々「アイドルにはファンもファンじゃない人も大切にしてほしい」と思っているタイプの人間なので

*2:参考:「After SMAP ~SMAPがジャニーズを変えた3つのターニングポイント~」 - 小娘のつれづれ

*3:直近だと、女性セブンの二階堂さんがこういうことを言っていたと思います

アイドルは誰の方を向くべきか?

キスマイを好きになって約1年、本格的にブログを始めるようになってから約10ヶ月。自分の胸の内だけじゃ処理できない思いをアウトプットする場所がほしい、というだけで始めたのですが、こんなに多くの方に読んで頂けるようになるとは思っていませんでした。でも、いつもなんだか偉そうに色々と書いていますが、私は自分がブログに向いている人間だと思ったことは全くなくて。自分の考えていることをまとめるのにも、文字にするのにも時間がかかる。やっと一つの事柄について書き終えて更新しても、このリアルタイム性が重視される世の中ではだいぶ乗り遅れていることの方が多い。そして何より一番向いていないなと思うのは、私は他の人の意見に左右されまくってしまい、自分の意見やスタンスを確定させることが大変だということです。大体どんな事柄に対しても、あっちの意見もわかる、こっちの意見もわかる……そうやってふらふらしてしまう私は、一体自分の「核」というものはどこにあるのか、自分でもよくわかりません。全くもってブログに向いていない。よく続いてるな(笑)

ただ一つだけ、どんな意見を目にしても、どんな騒動が起こっても*1、自分の中で一つだけ変わらない、信念のようなものがあります。それは、『アイドルにはファンも大切にしてほしいけれど、それと同じくらい「ファンじゃない人」も大切にしてほしい』、ということです。「アイドルには~」と書いたけど、これはどのジャンルでも同じではないかなと思う。だから広く言えば、アイドルでも、舞台俳優さんでも、お笑い芸人でも、全部含めて「芸能人には~」と言った方がいいかもしれませんね。このスタンスだけは絶対に変わらない。けれど、なぜこう思うのかということを今まで全く考えてきませんでした。当たり前すぎて深く考えたこともなかった。それに気付かされたきっかけは、一連のSMAPの騒動でした。

あの1月18日の生放送後、一応今後もSMAPとしての活動が続くだろうということで一旦幕引きのような形になった。けれどももちろん、これで全てが解決したわけではない。多くのマスコミは、「ジャニーズ残留派の木村 vs 独立派4人&飯島」という構造を作り出し、特に中居と木村の仲が険悪だという雰囲気を出している。様々な記事を目にすると、ここはどちら寄りの意見かというのがよくわかったりして、私はこの対立構造を作り出している空気に本当に嫌気がさしています。中居と木村の仲が実際どうなっているかなんて本人達にしかわからない。それなのに、本当にいるかどうかもわからない「関係者」の伝え聞く話ばかりで、露骨にイメージを下げようとしている。さらに、大手スポーツ紙が『木村が取り計らって4人を事務所に残留できるようにしてくれた』という論調で書いているせいで、ネット上の世論は大きく4人に味方するようになり、その結果、一気にジャニーズ事務所批判・そして木村批判が増えていくようになった。「ヒーロー気取りで気に食わない」「あの生放送の会見のときだってセンターでドヤ顔だった」「木村は裏切り者のくせに」……などという厳しい意見が相次いでいる。でも、本当にそうだろうか。

もちろんこれも根拠のない私の考えだけれど、木村だって木村のやり方でSMAPを守ろうとしていたんじゃないかと思うのだ。一部では、ジャニーズ事務所SMAPの権利を全て持っているので、事務所を離れたら「SMAP」と名乗ることも、今までの歌を歌うことも出来なくなってしまうのではないかと言われている。それを阻止するために木村は木村の考えで動いていたのではないかと思うのだ。昔慎吾が言っていた。『中居くんと木村くんは言うこともやることも正反対。でも、どちらも正しい』と。一例を挙げれば、2011年に放送されたNHK『プロフェッショナル仕事の流儀』では、SMAPに密着して、スマスマのビストロSMAPの収録前の舞台裏の様子を取材していた。そこでは中居は、タバコを吸いながら誰とも喋らずに集中しており、それと対照的に、木村はスタッフさん達と談笑していた。この映像を見て、慎吾の言っていることが少しわかったような気がした。一人集中して番組の流れを確認する中居も、談笑して現場の空気を和ませる木村も、正反対のようでどちらも正しいのだ。意図的にどちらか一方からしか見ない人には、「中居は社交的ではない」とか「木村は本番前に緊張感が無さ過ぎ」と、思われてしまうのかもしれないけれど。

ファンは、今までそういう場面を何度も見てきたから、きっと今回だって、中居と木村はそれぞれのやり方でSMAPを守ろうとしているんじゃないかっていうことがわかっている。もちろん本当のことなんてわからないけれど、そう考えてそう信じている。だから一部では、「マスコミがどう言おうと私達はSMAPのことをわかってるから」「ファンだけがわかっていればいい」という雰囲気が広がりつつある。確かにその通りなんだけども、でも私は、やっぱりファンでない人にもわかってほしいって思ってしまう。前回のブログにも書いたけれど、SMAPはやっぱり、「ファンじゃないけどなんか気付いたらSMAPが人生の近くにいた」っていう一般の人を味方につけてきたからこそここまで大きくなってきたグループだからだ。

……でも、自分でわからなくなってしまった。なんで私は、この期に及んで、「ファン以外にもわかってほしい」って思うんだろう。きっと今後も、本人達がこの騒動についての詳細な経緯を説明することはないだろうし、そうなると多くの人に植えつけられてしまった「木村は裏切り者」というイメージを完全に払拭するなんて難しい。芸能人を応援することなんて、極論を言えば自分が満足すればいいわけで、なのに、どうして他の人にもこの人達を好きになってほしいなんて思うんだろう。

今まで考えたこともなかった。だから考えてみました。で、どうもしっくりくる表現が見つからなかったのですが、一応の結論が出ました。

私が、 『アイドルにはファンと同じくらい「ファンじゃない人」も大切にしてほしい』って思うのは、単純に『私の好きな人にはより多くの人に愛されて幸せでいてほしいから』っていうシンプルな理由なんだと思います。

 

本格的にキスマイを追いかけるようになって、世界が変わりました。楽しいこともたくさんあったけれど、その一方で、世間の人は予想以上に「ジャニーズ」に対して厳しい見方をしているのだということも知りました。実力もないのにテレビに出ているとか、チャラチャラして努力を知らないとか、事務所の力で優遇されているだけだとか。そういうことを言う人は、元からフラットな目で見ていないのかもしれない。けれど、それでも私は悲しくなってしまいました。好きな人は、多くの人に愛されて幸せに生きていてほしいんです。そういう厳しい目で見ている人達にも、いつか伝わってほしいなって思うんです。以前から度々言っていますが、長く活動を続けていくためには、濃いファンを獲得するのももちろんですが、「ファンじゃないけど結構好きだよ」と言ってくれる一般人を増やしていくことも大切だと思うから。そうやって、「好き」と「嫌い」できっぱり2等分するような感じではなくて、色々なレベルの「好き」があって、グラデーションのようになっていくのが理想だと思っています*2SMAPはその立場をある種確立させた人達だと思います。

ちなみに、キスマイに堕ちた一番の理由もそれでした。彼らはアイドルなのに女心がわからなかったり、頑張りが空回りしたり、良かれと思ってやってることが失敗したり。努力している姿やカッコ悪い姿を見せるのは、もしかしたらジャニーズの中では御法度だったのかもしれないけれど、 そこを全面的に見せてくれることで、「ファンじゃない人」にも親近感が生まれ、訴えかけているように感じられたのです。趣味が細分化してディープになって、皆が共通の好きなものが生まれにくい時代に、ここまで「ファンじゃない人」の方を向いている人達に出会えるというのは衝撃でした。それが、飯島チルドレンとしてSMAPのやり方を踏襲していたからそうなったのか、それとも元々本人達にそういうメンタリティがあったのかは、私にはわかりませんが。ただキスマイの場合は、「ファンじゃない人」に受けそうな自虐ネタトークをやりすぎて、「もう!ファンの気持ちわかってるの!?」と言いたくなってしまうこともあるけどね(笑)。それも、もう少し経験を積んだら落とし所がわかってくれるんではないかなぁと、期待したいところだけれど。

もちろんキスマイに限らず、他のジャニーズのグループもそうやって「ファンじゃない人」の方を向いている場面もたくさんあると思います。けれど、今回の騒動で、ファンじゃない方に訴えかけるのは相当難しくなってしまったように思えます。ジャニーズはブラック企業だとか前時代的だとか。まあ確かにそう思うところもあるんですけれども(笑←)。何よりも、ファンを「あんな騒動があったのにまだジャニーズを追いかけているなんて」という目で見るでしょう。好きな人と嫌いな人の二極化。そうなると、いよいよグラデーションなんて言っていられる場合ではなくなる。ジャニーズが好きな人達は一部の人達だけで、その囲いのなかでは幸せな空間が広がっているかもしれないけれど、その囲いを一歩出たら世間には冷たい目で見られるような。そうなってしまったら、いくら熱狂的に愛してくれている人達がいたとしても、それは本当に幸せなことなのだろうか?

 

本当は、もういいんじゃないかなって思う時もある。SMAPは今まで、十分、「ファンじゃない人」にも訴えかける活動をしてきた。だからもうこれからの人生は、ファンの為だけに生きてくれてもいいんじゃないか。例え不仲だと言われようが、裏切り者だと書かれようが、本人達の中で結論が出ているならファンは応援するよ、ファンはわかってるよ。それでもいいんじゃないか。

でもきっと、SMAP自身がそれを望まないだろうと思う。特に震災後、彼らは被災地を中心として日本全国を飛び回り、その土地土地の人達と触れあって勇気と元気を与えてきた。のど自慢やパラリンピックのサポーターも務めた。もはやほぼ慈善事業だ。自分達が会いに行くことで、笑顔を見せてくれる人達、喜んでくれる人達がどれだけいるかをよくわかってくれているはずだ。それはもちろん、ファンも、ファンじゃない人も、どちらも大切にする活動を続けてきたからだ。だからやっぱりSMAPには、この諸々も全部含めて、いつかファンじゃない人にもわかってもらえるような道を探していってほしいなぁと期待してしまう今日この頃です。

 

*1:なんか物騒な言い方になってしまいましたが適切な表現が見つからなくて。すみません・笑

*2:そのあたりの話はここでちょっと書きました→「好き」のグラデーション