重箱のすみ

こんな世界で戦う7人のことを書きたくて

すべてがFになる 第5話・第6話

とても面白かった。このドラマで、見終わった後に初めて腑に落ちたスッとした感じを味わった回だった。1~5話まで、「よくわかんないなー」と思いながら何となく見続けてしまったのだが、見続けて良かった。

よくわからないというのは、1話~4話までは、登場人物の思考に納得がいかないところが多かったからだ。

1,2話の「冷たい密室と博士たち」では、極地研のトリックは理解できたが、そこに至るまでが本当に納得いかなかった。市ノ瀬は丹羽に暴行され、その話を珠子が増田に話してしまったため、当時市ノ瀬と付き合っていた増田が精神的に病んでしまい、丹羽にナイフを向けて振り回した後失踪した。それを恨んでいた市ノ瀬が、丹羽と珠子を殺害する計画を企てた。

市ノ瀬の動機はわからないでもない。ただ、そんな事件があったなら、丹羽は性的暴行で捕まるべきだし、市ノ瀬もそんなことがあってよくずっと同じ研究室にいられるなと思うし、何よりも、同じ研究室の先輩を暴行した男と結婚しようという気になる珠子が理解できない。トリックよりも、そういうところが気になって、誰にも感情移入できず全く納得できなかった。

3,4話は、「自分の死をもって芸術が完成する」というテーマ自体は否定しない。否定しないというか、そういう考え方は実際にあるだろうし。ただ、そこに至るまでに本人がそこまで躊躇するなら、やらなければいいんじゃないだろうか。林水は自分の理想よりも、フミの理想像に自分を合わせざるを得なかったような感じがしてしまう。ただ、無我の匣のトリックは素晴らしかった。

 

今回、やっと、そういう余計なところに引っかからずに、すんなりストーリーを受け入れられたような気がする。真賀田四季の計算され尽くした美しいプログラムに、唯一起こった(と考えられる)娘の自殺というエラー。しかし、それすら自身の天才的な頭脳で、感情に引きずられることなく新しい計画を考え、そして淡々と実行する。

これくらい振りきれている異常者(と言ってしまっては安直だが)の方が、1~4話で感じたようなモヤモヤがなくてよい。四季はもともと、常人には理解できない感覚の持ち主なのである。それを犀川が、本人に直接告げたところも良かった。

早見あかりも素晴らしい。このドラマの1話冒頭の萌絵とのシーンは、セリフ回しにちょっと堅さがあったように感じられたのだが、6話最後の犀川との図書館のシーンは、そういう「言わされている感」がすっかり抜けていた。このシーンでは、まるで感情を持っていない人間のようだったはずの四季が、少しだけ切なげに見えるのも又よかった。

今回を見てやっと、 このドラマを見続けた甲斐があったと感じられた。ちょっと助走が長かった気もするが、それもまた趣があって面白い。