音を楽しむと書いて、音楽でしょう?
今週のUTAGE、とってもいい回だった。アーティスト全員集合でみんな楽しそうに歌っているのを見て、こういう心から晴れやかな気持ちになるパフォーマンス久しぶりだな、音楽っていいなと思った。それなのに、あの次回予告。あの二階堂と指原の「仮想披露宴」という企画の次回予告を見て、頂上から突き落とされたような気持ちになった。
私、UTAGE内での二階堂と指原のコンビのストーリーが、もっと展開して行ったら面白いなとは言ったけど、何も結婚式しろなんて言ってない
— さゆ (@mgmcnlife) June 1, 2015
一言で言えばこのツイートに全て集約される話なのですが、なんだか怒りがおさまらないのでつらつら長々と書きます。
私は以前ブログで、UTAGEについて結構いい評価をしているし、二階堂と指原のあの絡みも今後が楽しみだ、という話を書いた。でも正直、これを全面撤回したい。
私は二階堂担ではないし、リア恋という気持ちもないので、「ニカちゃんを結婚させるなんて!!」という感じに怒っている訳ではない。じゃあなぜ怒っているかというと、私は二階堂と指原のコンビを、2人の成長物語のような気持ちで見ていたからだ。もともと犬猿の仲だった2人が、もっといいパフォーマンスを見せたいと一致団結する姿は、まるでクラスの仲悪い男女が文化祭に向けて奮起するような学園ベタドラマみたいで微笑ましかった。最初は、仲悪いというくだりだけで何の生産性もなかった2人は、時間をかけて今のストーリーを作り上げた。
それなのに、一気に結婚式ってなんだ。披露宴ってなんだ。2人が今まで積み重ねてきたものを全て潰している。やってることが雑すぎる。目先の笑いに走りすぎて、今後の見通し全くないし、何より愛が感じられない。私が期待していたものと全く別物を見せられて、なんだか失望した気持ちでいっぱいだ*1。
どうして今週の放送がとても良かったか、大好きだったかというと、純粋に音楽の楽しさを追求していた姿を見せてくれたからだ。森重樹一さんを迎えたUTAGEバンドは、ギターの経験がある山本は良いとしても、ベースの二階堂・ドラムの宮田は半年前にこの番組で楽器を始めた初心者、ピアノの今井絵里子さんも本格的に人前で弾くのは初めてという、技術的にはまだまだ実力の足りないメンバーだった。初回の練習中の様子で二階堂は、先生のお手本となるベースソロの演奏を聴いたあとに、「うわーできるかな…」と一瞬不安になった後、「でも出来たらめっちゃカッコいいですよね」とわくわくした様子で語る。猛練習して手に湿布をしたこともありながらも、本番は笑顔で本当に楽しそうに演奏していた。こういう彼が見たかった。二階堂だけじゃない、メンバー全員が、一生懸命練習して、速いテンポに喰らいついていき、本番では爽快感あふれる素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
みんなが一途に必死に練習して、音楽に向き合う中で成長していく姿は、そのまま素晴らしいストーリーになる。ゲストの森重さんも、「楽しむって言うのが一番だね。すごく楽しかった。一生懸命ひとつのものを作ろうとする感じがすごい良かった」と語ってくれた。
それを見て、UTAGEは毎回こういう感じにしてほしいのに、なんでそれがダメなのかなぁと思った。本当それだよ、音楽って音を楽しむもんでしょうよ。この回は、TEEさんと組んでリンダリンダリンダを熱唱しながら飛び跳ねる千賀も、ちょっとテンポがズレながらも思い切り歌う師匠もとても良かったんだよ。最近のUTAGEは「失敗ありき、舞祭組イジリありき」で面白くなかったよ。それはみんなが音を楽しんでなくて、バラエティとしての笑いに走りすぎてしまった結果じゃないだろうか。
歌ヘタやら、メンバー内の(仮想)恋愛やら、そういうストーリーを入れてバラエティ的な面白さを入れていかないと、純粋な音楽番組というだけでは生き残れないのかもしれない。でも、舞祭組をバカにするイジリをやるというゴールありきなら、皮肉でも何でもなく本気で、音楽番組じゃなくてクイズ番組でもやればいいと思うよ*2。その方がおバカだって笑いにしやすいでしょ?
散々文句を書いたけど、それでも私はやっぱりなんだかんだでこの番組が好きなんだと思う。毎週色んな曲で舞祭組が見れるのが楽しみではあるんだ。だからこそ無下に「こんな番組嫌い」とも言いづらくて、それもまためんどくさい。
ただ前回も書いたけど、当たり障りのない番組が増えているこの世の中で、賛否両論飛び交い、良くも悪くも心が揺さぶられる番組を作っているのはすごいことだとは思う。とりあえず、喫緊にできそうな解決策としては、UTAGE、曜日移動してくれませんでしょうか。月曜日はキスブサを見てキュンキュンして大笑いした後すぐに寝て、UTAGEを楽しんだり怒ったり憤ったりモヤモヤしたり*3するのは、また別の曜日にして頂けると幸いであります。
来週は、大脱出イリュージョンする前の不安そうな横尾師匠の表情がとても可愛かったので、それだけを楽しみにしておきたいと思う所存です。