重箱のすみ

アイドルとの距離感の取り方は、いつまでたっても難しい

『メンバー』という存在。

『メンバー』という存在。

アイドルグループにとっては当たり前だけど、一般人には一生、得る機会のない存在。

 

約2週間前の7/10、鈴木おさむさんMCのラジオ『よんぱち』に、北山と宮田がゲストで出演した回のこと。最新アルバム『KIS-MY-WORLD』についての話題になり、このアルバムをひっさげてドームツアーをすることが告知された。その後、リスナーの方からの「コンサートの準備は進んでいますか?今回の見どころを、軽くでいいので教えてください」というメールが紹介されると、北山と宮田はこんな話を始めた。

鈴木:言える範囲で、どんな感じになりそうですか?

北山:あのー…まぁ、今打ち合わせしてるんですけども、ちょうど昨日、何回か打ち合わせしたやつを、引っくり返そうっていう話になって。ゼロに昨日戻りました。アッアッアッ(笑ってる)

(アシスタントの三浦茉莉さんが「えーっ!?」と驚く。)

北山:俺、結構好きで。ゼロからもう一回やるか!みたいな。

宮田:打ち合わせ終わったくらいに、メンバーみんなでやってるグループメールみたいなのがあるんですけど、そこに北山さんから『ちょっと一回ゼロに戻すわ』って連絡が来まして。

   『(それを見て自分は)お、おぉ…マジか…』って。

北山:アッアッアッ(笑ってる)

 

私はこの話を聞いたとき、上手く言えないけれど、なんだかすごくドキドキしてしまった。胸が高鳴った。その理由は多分、メンバー同士がグループメール*1で繋がっていて、そこで仕事のやりとりをしているという、そのプライベートと仕事の境目が曖昧な感じに萌えてしまったからだと思う。散々顔を突き合わせて打ち合わせをしているだろうに、それが終わってからもまだLINEで話し合いを続ける感じ。

20代男子7人のKis-My-Ft2は、年齢だけ見たら普通の若者。でも彼らは普通の若者ではない。『世の普通の若者』と同じようにLINEでやりとりしながら、『世の普通の若者』が出来ない、5万人を沸かせるドーム公演の話をしている。

そこがなんだか、グッとくる。

加えて、私が過剰に反応してしまった話を、宮田は何ともなさそうに喋っていたのがとても良い。メンバーの暴露をするわけでもない、特別なこととも思っていない。本人達は、ただ日常のひとコマの中にあった話を「こんな面白いことありましたよ」って提示してくれただけなのに、その「普通」の感じが、特別に思えるのだ。特に宮田は、玉森とのラブラブエピソードをよく話していて、まあそれも好きなんだけど(笑)、それよりもこういう話の方が何だかドキドキする。

 

もう一つ。こちらは、7/15、舞祭組4人のキスマイRadio。冒頭トークでは、学生時代の夏休みの思い出がテーマだった。宮田は、小6でジャニーズに入るまでは、夏休み中にRPGのゲームを1本クリアするというのが恒例だったと話した。けれど、ジャニーズJr.になってからは様々なイベントがあったため、夏休みの過ごし方が変わったと話す。その後。

宮田:でも実際、夏休みの思い出ってさぁ、オレ結構、キスマイでいる思い出が一番あるかもしれない。

全員:あるある!

ニカ:オレ楽しかったのは、コンサートの合間で、みんなでテニスとかやったじゃん。

全員:あー、やったねー!!

宮田:テニス?バドミントン

千賀バドミントン

ニカバドミントンか。あれは楽しかった。

宮田:あぁー、あったね!面白かった。

ニカ:やっぱ、友達といるの楽しいわ。……まぁ、友達っていうかメンバーなんだけどね。

千賀:すっげー焼けたよね。

宮田:いやー日焼けしたわ。

千賀:1公演目、別に焼けてないのに、2公演目になった瞬間にちょっと皮がむけてるみたいな(笑)

 

もう私は、このラジオを聴きながら萌え転がっていた。「萌え転がっていた」というのは別に比喩ではなくて、本当に、ラジオを聴いている最中に「かわいい…かわいい…可愛すぎて無理…」などと言いながらベッドの上をごろごろ転がっていた。普通に変な人である。

まぁ、みんな若くしてジャニーズに入っているから、夏休みの思い出って言っても学校の友達と遊んだり、学校で何かしたような思い出はあまりないんだろう。けれどもそれをマイナスに捉えるのではなく、「キスマイでいる思い出が一番多い」って言って、あれは楽しかった楽しかったってみんなで言い合うって、なんて可愛いんだ。しかもバドミントンの話を、全員当たり前のように覚えているのがすごく素敵だ。

 

この時に気になったのは、二階堂の『まぁ、友達っていうか、メンバーなんだけどね』という一言。

友達のように遊ぶけれども、仲良く一緒に騒いで楽しむだけではない。

仕事を一緒にするのは事実だけども、「仕事上のパートナー」と割り切れるほどドライでもない。

その微妙な意味範囲を表す言葉が、『メンバー』なのだろう。

複雑なバランスの上に成り立っているその存在の概念は、きっと一般人が完全に理解するのは難しい。けれども、一般人が手にすることのできないそのメンバーという存在によって、アイドルは存在意義を吹きこまれ、頑張る理由が生まれ、心の支えができるのではないかと思う。常に人前に立ち続け、評価されたり批判されたり、自由を制限されたり、プレッシャーに晒される。メンバーという存在は、一般人が持っている色々な自由を失ったことと引き換えに、手にすることができるものなのかもしれない。

 

最新の二階堂のキスログ。

 『ただの仲良しグループじゃないから、ピリつく空気にもなるけどそれも大事だね。いい物を作ろうとしたらそれなりの時間もかかるし、焦らず作っていくので楽しみに待っていてください^^』

 

8月号のポ誌の横尾。

7人で最高のものをつくるという意識があるから、もう敬語なんか必要ないし、ケンカをしようがそれは問題じゃない。みんなで、目標にガムシャラに向かっていくだけ。 

 

10代から20代への、一番繊細な時期を10年も一緒に過ごしてきた7人。表立って語られてきたことも、明かされていないことも、きっと色々あっただろう。それでもそれらを全て乗り越えて、今では「いいものを作ろう」という明確な目標に向かって、例え衝突しても良いと思えていることがすごいなあと思う。それを乗り越えられるという確信があって、メンバーのこともグループのことも、信じているってことだと思うから。

 

KISS&PEACEのこの一節が大好きだ。

『君に伝えたいよ まだ明日はわからないけど 僕ならここにいる』

何があっても、どんなに世の中が変化しても、僕らは変わらず皆の前に立ち続ける。そう歌ってくれているような気がして。

彼らのこの先の10年が、さらにさらに輝くものでありますように。そして私が彼らを好きだという思いが、彼らをさらに輝かせてくれるささやかな一助になれば嬉しいな。

これからもずっと7人で。

 

Kis-My-Ft2、結成10周年おめでとうございます。

 

*1:と言っているけれど多分LINE