重箱のすみ

アイドルとの距離感の取り方は、いつまでたっても難しい

FNSうたの夏祭り雑感 ―2分半でハートを射抜け―

先週の水曜日、7月29日。19時からテレビの前にスタンバイして、FNSうたの夏祭りの放送を楽しみに待っていた。最近の大型音楽番組は、放送前に1時間ごとのおおまかなタイムテーブルが出ることが多いが、今回は全くそれがなかった。

そのため、放送開始から5曲目という早い段階で舞祭組が登場した時はびっくりして、でもその後大いに沸いた。生のオーケストラだったので音がすごく綺麗で、それだけで贅沢な気持ちに。横尾師匠のソロパートがカットされていたのは残念だったけども、4人ともパワフルで堂々としたパフォーマンス。特にサビの宮田が、音程も声量も安定していてとても良かった。最後のお辞儀まできっちり揃っていて、さすがだなぁ、彼ららしいなぁと嬉しくなった。

しかしここから、キスマイ待ちをするも全然出てこない。20時~21時の間は裏番組*1に出ていたからその時間帯が空くのは仕方がないが、それが終わっても全然出てこない。フジテレビのスマホサイトでは、セットリストはないものの、次に歌うアーティスト名と曲名は表示されるため、私はテレビをながら見しつつ、それを頻繁に更新していた。やっとキスマイの出番が来たのは、番組も終盤の22時35分くらい。しかもこんなに待ったのに、スマホサイトを見たら、彼らがこれから歌う曲は『Kiss魂』と書いてあるではないか。Kiss魂が嫌いなわけではないけど、色々な音楽番組でもうたくさん披露してきたし…それならアルバムから『Brand New World』をやってほしかったよ……と思ってしまったのが正直なところ。

でも、この日のKiss魂はすごかった。この曲で今までに見たことがないくらいの気迫だった。まず、冒頭の藤ヶ谷と北山のラップから全然違う。トーンが高い高い。何回も聴いてきたけどこんなに高い時はなかった。そして特に北山のビジュアルが尋常じゃないくらいカッコイイ。少し伸びて重めの前髪が目元を隠している様子は、一瞬ゲゲゲの鬼太郎かなと思ってしまったけども(ごめんなさい)、そんな私の雑念を吹き飛ばす色っぽさ。普段バラエティ番組で見せてくれる、社交的で明るく可愛い「みったん」のイメージとは全く違う、暗くて退廃的な大人の色気。この人は曲中で、表情で、『演じる』ことが出来る人なのだなぁと改めて実感した。

もちろん北山だけじゃなく、全員ダンスもキレキレで、表情も引きしまっていて、当たり前だけどキスブサでポンコツっぷりを見せている7人とは別人のようだった。テレビの画面を通して、ここまで気合と気迫が伝わってくるパフォーマンスを見れて嬉しい。とてもビリビリ来て、震えるほど感動した。

 

……と、ここまでが、シンプルにパフォーマンスに関する感想です。

大変申し訳ないのですが、以下はちょっと違う話を混ぜて行きたいと思います。もしここまで読んで下さった方の中で、『派閥』というワードを見るだけでも嫌だったりとか、想像やうわさ話レベルのことを読むのが嫌だという方は、この先に進まれない方がよいかもしれません。大変申し訳ありません。

もちろん私自身も、この先はあくまでも自分の想像が多分に含まれている話を書くということを、自戒しながら書きたいと思います。

 

 

 

さて、私は放送後にこういうことを書いた。

あまりにもキスマイが出ない空白の時間が長かったので、私は、彼らは途中で抜けてどこかで雑誌の取材のような別のお仕事をしていたのではないかと思っていた。けれど、どうやらそうではなく、観覧席にいた時間帯もそこそこあったらしい。それなら、ぜひもう一曲やってほしかったし、あるいは他のアーティストの方とコラボやってほしかったし*2、せめて観覧席にいる様子をちょっとでもいいから映してほしかった。でもそんな場面は全然なかった。

 

それで、今日たまたまTwitterをあっちこっち見ていたら、こんなまとめを発見してしまった。

【草彅FNS司会降板でジャニーズの闇が明らかに】メリー&ジュリーとは?【派閥じゃなかった独裁政権】 - NAVER まとめ

 

全部読んでると長いので簡単にまとめると、今回のFNSの中で、V6のデビュー20周年のお祝いということで、舞台上にV6・TOKIO・嵐が揃った場面があったけれども、その場にいわゆる飯島班は呼ばれなかった。まぁ、キスマイとセクゾは歴が離れているし、同じくジュリー班の関ジャニ、Hey!Say!JUMPもいなかったので理解できる。たださすがに、この場にSMAPがいないのはおかしい。ジュリーさんが幅を利かせているんではないか……という感じ。

それに、前回のFNSまではつよぽんが司会で、SMAPとしても色々なコラボに出演して盛り上げていたのに、今回はバンバカと華麗なる逆襲の2曲だけというのも、「今まで貢献してきたSMAPがないがしろにされている」と思ってしまう一因になったのだろう。

もちろん上記のNAVERまとめに書かれていることは、想像や憶測も多いし、全てが真実だとはいわない。特に、結局のところメリー&ジュリー*3が、SMAPや飯島さんのことをどう思っているかが、こちらにわかるわけなどない。今回のFNSも、飯島班の扱いが少ないんじゃないかと言ったって、全体的にジャニーズのグループが増えてるのだから、出演時間が以前に比べて少なくなるのは仕方がないことだ。派閥どうこうが、一切なかったとしてもね。

でも、まぁ、全てが真実ではないにしても、何となくジュリーさん側が優勢な雰囲気があるんだろうなというのは伝わってくるし、そしておそらくキスマイもそれを感じているだろうし。きっと彼らはこのままじゃ、今後どんなに頑張っても冷遇される。事務所のエライ人達は彼らの努力を認めてくれないかもしれない、SMAPがそうだったように。けれど、だからこそ、Kiss魂のあの力の入れようは、そういう諸々を全てパフォーマンスで跳ね返す決意を表現してくれているように感じられて、とても嬉しくなったのですよねぇ。

 

 

 

私は小さいころからSMAPが好きだった。好きになった経緯まで書いているととんでもなく長くなるから今回は省くけども、途中ちょっと間が空いた時期もありつつ、13年ぐらいゆるゆるとお茶の間ファンをしていた。

そんな折、 2012年くらいから、SMAPと共演が多い後輩グループのことをよく目にするようになった。まず最初はグループ名が読めなかった。彼らはキスマイフットツーと言うらしい。SMAPは好きだけど、ジャニーズJr.のことは全く分からなかった私は、突然現れたように感じられたその存在に、正直、とっても戸惑った。例えるなら、私はS君とよく遊んでいたのに、ある日突然K君という全然知らない人がやってきて、担任の先生*4に『これからK君とも仲良くやってくれ。よろしくな』と言われたような気持ちになっていたのだ。S君の大切な後輩ということはわかるけど、なぜ私がS君と楽しく遊んでいたところに急にやってきた人を、好きにならなきゃいけないのだ。別に無理してK君と仲良くしなくてもいいし、気に入らないなら見なければいい。それはわかっているが、S君見てるとK君も一緒にいることがどんどん多くなってくるんだもん、正直不満が募るよねって感じ。……だいぶマイルドに書いていますが、本当はもうちょっとドロドロした想いがありました(笑)

でもそこから結局、色々なきっかけがあってキスマイのことも大好きになって*5。そうすると、彼らがこれから辿るであろう道のりを思うと本当に心が痛いのだ。SMAPがメリーさんに「だってSMAPは踊れないじゃない」「悪いけど私、飯島に踊りを踊れる子を任せられないもの」と言われたことからわかるように、メリーさんの中では飯島班は「うちの子」だと思われてない*6。そもそも私は、ほぼSMAP専属みたいになっていた飯島さんが、一体どういう経緯でキスマイやセクゾなどを担当するようになったのかよくわかってない。だけど、こんな感じで、ずっと飯島班が傍流のように扱われるなら、彼らの立場も活躍の場も限られてくるんじゃないかと思うし。一体いつまで、この派閥超え実質共演NG状態が続くんだろう。毎年、来年は少しは解消されるんじゃないかとわずかな望みを託しつつ、結局年々ひどくなっている気がする。

  

派閥はやっぱりよろしくないと思う。大事な時期にSMAP以外の先輩とほとんど共演できないのはやはりデメリットの方が大きいと思うし、ファンの立場からしてもかつての私のように、『SMAPのバーター』というだけで嫌悪感をもってしまう人だってきっとたくさんいる。そういう人達を生んでいる事は、結果的にアイドル&事務所においても、そしてファン側においても、双方にとって重大な機会損失なのだ、もったいない。ただ、それをいくら言っても、すぐに何かが変わるわけではない。今までも散々言われてきているからねぇ。

結局、本人達にできることは、例え出演時間が短くなっても、様々な事情で扱われ方が小さくなったとしても、その場その場でいいパフォーマンスをして、そういう周囲の環境を吹っ飛ばして、見ている人の心を掴むしかないのかなと思う。有無を言わせぬ活躍をして、自分達で道を切り開いていくしかないのかなと思う。

それを体現してくれたことが嬉しかった。舞祭組の出演もあったけれど、Kis-My-Ft2として出演できたのは1曲だけだ。でもその2分半、たった2分半の短い時間で、あれだけのパフォーマンスをしたら、きっとハートを射抜かれた人はたくさんいるはずだ。派閥について考え始めたら本当に鬱になるけれど、私がそうやっていちいち鬱になってる間に、キスマイは鬱になる時間ももったいないとばかりに次への準備を始めるんだろうな。そういう人達だから、こんな状況でももっと見たい、ついて行きたいと思うのだよ。

 

いつか数年後に、数ヵ月後に、あるいはもっと近い未来に、

『私は、FNSうたの夏祭りでのKiss魂を見てキスマイに堕ちました』

…っていう方のブログを読むのを、楽しみにしてる。

 

*1:BSプレミアム ザ少年倶楽部サマースペシャ

*2:とはいえ、そもそも今回はジャニーズ勢で他アーティストとコラボしたグループはなかったけれども

*3:コンビ名みたいになっちゃった

*4:名前はジャニー

*5:超省いてすみません。いつかここもちゃんと書きたいなぁ

*6:http://www.johnnys-watcher.net/article/412747661.html