重箱のすみ

アイドルとの距離感の取り方は、いつまでたっても難しい

大いなる矛盾

私は以前から本当に、どうにも、噂話というのに疎い。彼らの不穏な話を知ったのは、今年のJr.祭り@横浜アリーナの直前だった。でも、まあ、不穏な噂が出ていたとしても、大阪のJr.祭りは特に変わったことはなかったみたいだし。そういうのは話半分で聞いておいた方がいいかな。

……そう思いながらも、心の奥底ではひっかかっていたみたいで。

3月24日土曜日。合同公演の開演前にグッズ売り場へ行く。Travis Japanのポスターと、お箸と(笑)、宮近くんのうちわをお願いする。売り場のお姉さんが商品を準備してくれて『以上でよろしいですか?』と聞く。その瞬間に思わず口走っていた。

「あっ…あと、ラブチューンのポスターもお願いします」

売り場のお姉さんは冷静に、『ラブトゥーンのポスターですね』と言って取りに行ってくれた。あー、恥ずかしい……。頭ではわかってるのに、反射的に言ってしまう。でも、表情一つ変えずにいてくれたお姉さんに救われた。

ああ、あれが最後になってしまった。私はもうちゃんとグループ名を発音して公式グッズを買うことすらできないのか。

正直に言って、あの瞬間、お姉さんに『以上でよろしいですか?』と言われた瞬間、「もしかしたらここで買わないともう買えなくなるのかもしれない」と思ってしまったから、だから言ってしまったのは、事実なんだけれども。

それが現実になると、こんなにもきついのかというのを、しみじみと実感してしまっている。

 

最初に言っておくと、私は本当に本当に、未だにJr.担を名乗る勇気すらない人で、もはやミーハーな一般人と言って差し支えないような、そういう人です。部外者極まりないので、偉そうなことは何も言えません。

なので私が何を言っても無駄だとはわかっていますが、昨日からどうにも頭がぐるぐるして、しんどくて、頭と心を整理しないと明日の生活もままならなくなりそうで。ミーハー一般人だからこそ思っていることを、とりあえず書いてみます。

 

どうしたって思い出してしまうのは2年前のことだった。

嘘でもいいから、何もなかったフリして、円満なフリしてくれればいいのに。

そんなこと無理だとはわかっているけれども、結局私が一番引っかかってしまうのはそこだった。

今回、ジャニーズJr.でありながらメンバーの退所に関するお知らせが正式に出たのは、ある種の革新的なことだった。それはやっぱり、ご丁寧な解散発表に関する文面が出てきた2年前のこととかぶる。

ちゃんと公表してくれるだけでも進歩だし、誠実であるという見方ももちろんあると思う。けれど、その一方で、ここに至るまでにどう見ても円満ではなかったのに、最後だけ円満な感じにするのもどうなのだろう。Love-tuneと彼らのファンが、今年のJr.祭りが終わった後から、一体どんな気持ちで過ごしてきたのだろうかと思うと本当にやりきれないし、その事実をかき消そうとしているように見えてならない。

そりゃ、事務所側にもいろいろと言い分はあるだろうと思う。けれど、2年前も今もそうだけれども、もう少し「何もなかったかのように見せる努力」というのをしていただきたいと思ってしまう。円満に見せる努力をしていただきたいと思ってしまう。そうしたら、それが嘘でも、ちょっとおかしいなと思っても、騙されたフリをすることができるのに。騙されたフリをしていたいのに。

 

もう一つ。

今回のメンバー退所に関する発表された文面の中には、こんな一文があった。

メンバー7名は、10代のころからジャニーズJr.として活躍してまいりましたが、20歳を過ぎ、一人の社会人としての将来を考えておりましたので…(後略)

「一人の社会人としての将来を考えておりましたので」というフレーズがどうにも気になってしまう。

もう、完全に憶測で、何の根拠もないのですが。例えば、彼らが「20歳を過ぎて、一体いつデビューできるのか」と聞いたとしたら。そして、それに対する明確な答えはなく、「とにかく頑張れ」というようなことを言われたとしたら?

 もちろんわかってる。いくらJr.として人気があっても、デビューできる確約なんてないことも。今までだって多くの人達が去って行って、でもだからこそデビュー組の輝きが一層増すことも。現役で活躍してるデビュー組だってたくさんいて、際限なく増やすことなんてできないし。それは頭ではわかってる。

でも、業界全体として考えた時にね。アイドルになりたい若い男の子をほぼ独占的に集め、育て、売り出す権利を持っている事務所が、その子たちの将来を保証できない、責任は取れない、というようなスタンスでいいのだろうかと思ってしまうんだ。Jr.としての立場でいろいろな活動をさせてあげていることはいいことだと思うけど、その一方で、飼い殺しのような状態をいつまで続けるのか。彼らが一人の社会人としての将来を考えた時に、安心して選んでもらえる場所・環境になってほしいのに…。なんて、それをどうやって実現するかもわからないのに、無責任かな。

 

頭と心の整理のために…と思ったけれど、結局全然うまく言えないし、まとまってなくてすみません。

でもこのごちゃごちゃしている感じこそが、偽りない私自身の心情なのだと思う。

2016年の一年間、本当にあらゆる情報に振り回され、情緒不安定になり、もうジャニーズから離れたい、絶対に離れようと思ったりした。けれどその翌年、2017年のJr.祭りにフラっと足を運んでしまい、あらゆるグループの多種多様な個性とパフォーマンスに楽しませてもらい、ささくれだった心が癒されて行くのを感じてしまった。

私はジャニーズ事務所のやり方を全肯定してるわけではないし、ひどいと思うことも多々ある。好きな人たちに対して、「別に彼らがジャニーズだから好きになったわけじゃないし」とか言い出したくなってしまう時もある。けれど、例えそんなことを言ったとしても、私は、ジャニーズだからこそできていることを見て好きになってるわけだからなあ。

そこがどうしても、自分の中で整理できない、大いなる矛盾になってしまっている。

本当は、もっと怒るべきなのかもしれない。これから他のグループだって、同じような事態に陥るかもしれない。っていうか、おこがましいのはわかっているけれど、SMAPの時からもっと言っていたら、もう少し何か、後輩達の環境も変わっていたのだろうかとか思ってしまう。

けれどそこで、どうしても「それぞれの言い分があるからどっちが悪いとは言い切れないよね」みたいな気持ちになって、一歩引いてしまう。それは何よりも、2016年の一年間で、実際に色んな状況を見て、自分自身の気持ちや考えが変わった経験があるからだ。本当はそんな、冷静なフリをして、大人ぶっている場合ではないのかもしれないのに。

私は結局、2年前からずーっと、同じことで悩んでいる。エンターテイメントの力は、良くも悪くも魔力だ。色々言ったって、ジャニーズのコンサートや舞台を見に行くことは、多分しばらくやめられないのだろう。それが客観的に見れば、事務所のやり方に加担していることになったとしても。

ずっと自分の中でうまく処理できていない、大いなる矛盾。

 

 

手前味噌で申し訳ないけれど、昨日、自分が2年前に書いたブログを読み返したりしていて。

mgmcnlife.hatenablog.com

 

今読み返してみると、なんだか、2年前の自分に救われるような気持ちになる部分も多々あるね。

今日、この記事を書いている時も、途中途中で強烈な虚無感に襲われた。

だって、「事務所にも彼らにもそれぞれの言い分があるだろうからどちらが悪いかなんて言い切れない」なんてさ、あまりにも普通のことすぎて。私ずーっと、普通のことしか言っていない。こんなの、『世の中には甘いものが好きな人も嫌いな人もいます』程度のことしか言っていない。もはや何も言っていないのと同じなのかもしれない。

私はその程度のことを、何を3時間もかけて必死に書いているんだろう。

でも、それでも。どんな人にも、どんな組織も、いいところもあるし悪いところもあるから、その情報を自分で判断して、自分で考えて、自分でどう捉えるか、決めていくしかないんだと思う。

複雑な事情に向き合う勇気を持つしかないんだと思う。

結局、それ以上の結論は見つからなかったから、今までもそうしてきたし、これからもそうするしかない。

 

 

紫色とオレンジ色のポスターの筒を抱えて入った、横浜アリーナの合同公演。いろいろなグループのパフォーマンスがあって、どれも楽しかったけれど、色んな曲があったけれど、Love-tuneだけで披露した曲に関してはもはや、CALLの記憶しかない。それしか覚えてない。

 

余りの迫力と余りの熱量で、「今日ここで死んでもいい」と言わんばかりのパフォーマンスだった。私はそれ見て、「今日…合同公演の横浜初日なのに…オーラスじゃないのに…ここまでやるんだ……」とあっけに取られてしまったことを思い出す。

「オーラスじゃないのに」って、いろいろな意味でひどい感想だなと思うけど(笑)、それが正直なところだった。

あれを一言で表現するなら…焦燥感というか、生き急いでる感というか。今は今しかないという感じだった。見ているだけでもなんだか、ハラハラしてしまった。

今となっては、あの時に彼らが何を思っていたのかなんて、わからないけれど。でも、それほどまでに私が感じ入ったのは事実だから。パフォーマンスを通して、人に何かの感情を与えるって、簡単にはできないことだと思うから。

ありきたりな言葉になってしまうけれど、彼らの進む道に幸あれ。そして、希望するところがステージの上ならば、どうか、その環境が整いますようにと、願ってやみません。

 

 

 

私は、事務所にも腹が立つところはあるし、メンバーにも頭に来たことはあるし、こんな形でSMAPが終わってしまうのは本当に残念だけれども、だからといってどちらか一方が全て悪いとは言えないし、

解散は本当に悲しいけれども、もう十分私達のために生きてくれたんだからそろそろ自分のために生きてほしいという気持ちもあるし、

どうしてこんなことになったんだって思うし、こんなに好きじゃなければこんなにつらい思いをすることもなかったんだろうかって思うこともあるけれど、それでも、私がSMAPを好きだった期間の思い出が全て消えてもいいかって言ったらそんなことはありません。

苦しいし、悔しいし、もどかしいけれど、私はきっとずっとSMAPが好きなのです。

きっと、未来の私――そう、今、これを読んでいる、あなたもそうでしょう?

 

今、何年ですか。あなたは今何をしていますか。SMAPの5人は元気ですか?

どんなに残念な最後になってしまったとしても、今まで好きだった歴史が変わるわけではない。SMAPに励まして支えてもらった私の人生が変わるわけではない。彼らの功績が消えるわけでもない。

あなたが、複雑さに向き合いつつも、今もSMAPのことを愛してくれていたら、私は嬉しく思います。

 

拝啓、未来の私へ - 重箱のすみ