重箱のすみ

アイドルとの距離感の取り方は、いつまでたっても難しい

彼らはこれからも時間を刻む ―映画『レインツリーの国』―

映画『レインツリーの国』、公開初日に見てきました。

私はその時、感想をこうツイートしました。

楽しいことばかりじゃない、うまくいくことばかりじゃない、でも人を信じるというのは素敵なことだよ、というシンプルなことを丁寧に描き切った繊細さに胸を打たれました。心ときめく国へ連れて行ってくれてありがとう!

一言で言えばこれが全てなのですが、一言で言い尽くせないほど色々と感じたこと、考えたことがありましたので、以下、長々と書いてみます。ちなみに私は、あえて原作を読まずに1回目を見てみました。そのため、映画1回目→原作読む→映画2回目→という流れで、いまこれを書いています。

普段ほとんど映画を見ないし、本も読まないし、有川作品もこれ以外読んだことがなかったし、キスマイに関してもまだまだ知らない事だらけ。そんな、全てに関して初心者の素人が、なんか好き勝手言っていますがご了承ください。そしてもちろん、内容にがっつりどっぷり触れていますので、ぜひ映画をご覧になってからお読みください。

あと、私は、「なんでもかんでも語る」というクセがあります。なんでもかんでも語るのは無粋じゃないか、それは心のうちにとどめておけばいいんじゃないか、と思われる方には、以下あまりおすすめしません、ごめんなさい、ぺこり*1

 

この映画が公開される前、11/11放送回の宮田・玉森のキスマイradioで、ひと足早くこの映画を観た宮田さんが感想を語っていました。宮田さんはこの時点で2回見ていたそうで、その感想を要約させてもらうと、『ネットで出会った2人が初めてデートするシーンで、1回目は普通に終わったけれども、2回目に見たときに、1回見て2人がどういう人かわかってるから、そのシーンでガチ泣き』という主旨のことを言っていました。私はリアルタイムでキスラジを聴いていたこの時点では、「あー、確かに、1回見てからだと2回目に見る見方が変わってくることってあるよね~!」くらいの気持ちでした。でも自分が見終わった時に、この宮田さんの感想の意味が本当に本当によくわかったし、正直この感想に全てが集約されてるんじゃないかと思うほどでした。

1回見て、伸とひとみがどういう人かわかると、2人が最初のデートの時にどういう思いだったのかが一層感じられるようになる。伸は父親に自分だけ忘れられてしまったという心のしこりを抱えて、ひとみは耳が聞こえないことによる様々なトラブルを経験して自分の殻に閉じこもっていて。けれど、そんな2人が色々な苦しみを忘れて自由にのびのびと自分の言いたいことを綴れるメールのやりとりを通して、今までの自分から一歩変わりたいと行動を起こす。2人はこのデートの時に既に、お互い様々なものを乗り越えて一歩踏み出して来ているんだ。それを知ってから2回目に見ると、何気ないデートシーンが、全然違う意味合いを持つように感じられるのでした。

私は見終わった後に、この映画がとても好きだなぁと思ったのですが、それはなぜかというと『人生の一部を切り取って見せてもらっている』という感覚だったからだと思います。ストーリー展開は時系列順に並んでいるわけではなく、最初のシーンは伸とひとみがメールのやりとりを始めるところから。当然、2人にはそれぞれの人生があって、今の性格になるまでに様々なことがあったわけだけれども、観客には2人が交流を深めていく中で少しずつ明かされていきます。

そして終わり方についても、こんなこと言ってしまうとひどい言い方ですが、この映画はハッキリ言って何にも解決していません。ひとみはこれからもきっと、会社では肩身が狭いだろうし、同僚の女性には「なんであの子だけ残業しなくてもいいのよ」なんてさらに陰口を叩かれるかもしれない。お父さんは娘を心配するあまり過保護になってしまうこともあるかもしれません。伸だって、父に自分だけ忘れ去られてしまったことを心のどこかにずっと引っかかったまま過ごしていく*2。そして2人はこれからも、お互いを思いやるがゆえに意見が食い違うこともたくさんあるでしょう。そういうところは全然描かれないし、観客に提示されない。

この映画は、恋愛のスタートからゴールを描いていたわけではなく、むしろ、紆余曲折あってやっとスタートラインに立ったところを描いているんだと感じます。まさに、『最後もやっぱり君』の1番の歌詞にある『旅をした愛し合った語り合いもした/そして信じると決めた』という部分が全てだと思う。2人がお互いを信じると決めた、それだけと言ってしまえばそれだけ。けれど伸とひとみはぶつかりながらも、丁寧に言葉を積み重ねて、お互いを理解し合っていった。その過程をしっかりと描いてくれているから、きっとこの先、何があっても2人は大丈夫なんじゃないか。そう思わせてくれるだけの説得力がありました。

いまからひどいことを言いますが、言うて2時間そこらのドラマや映画で、主人公たちの身に起こる問題がなんでもかんでも解決するわけはないと思う(笑)←ひどい。私の意見ですが、全てが解決する様子を描いてくれてハッピーエンドというのは、見ている側としては気持ちがいいけれど、あまりにもうまく行きすぎて嘘っぽく感じられてしまう。それならば、これから苦い現実も色々待っているだろうけど、それでも大丈夫だ、と思わせてくれる方がリアルに感じられて、私は好きでした。

伸が実家の美容室にひとみを連れて行った時の、伸のお母さんの言葉がすごく胸を打たれて、とても印象に残っています。

刻んで来た時間があったことは真実や。たとえ忘れてしもうても、なくならへん。

これは、家族でキャンプに行った時のことを思い出している伸とお兄さんに言っている言葉ですが、お父さんのことだけを指している訳ではなく、全編にわたって貫いているテーマなんだろうなと思います。彼らには今まで刻んできた時間があって、その中には良い思い出もつらい思い出もあったけれども、それを全て大切にして、乗り越えて。彼らはこれからも時間を刻む。伸とひとみにとって、2人の出会いは人生の大きな転機になるだろうけれど、これがすべてではない。そうやって、この映画内だけで完結するわけではなく、あくまで、伸とひとみの人生の一部を、たまたまこの一部を覗かせてもらった感覚。これからも時間を刻む2人は、今もどこかで私と同じように今という時間を過ごしているかもしれないと、そう感じられる丁寧な作りが好きでした。

 

ここからは、原作を読んでからの印象について。

映画を先に見てから原作を読んだんですけれども、正直な最初の印象は、「ぶっちゃけ伸もひとみも2人ともめんどくさいな!!」でした(笑)。 映画で見ているよりさらに。でもそうやって、めんどくさいなと思っちゃうほどに、自分が何に対して傷ついたのか、どうして嫌なのか、全てをしっかりと整理して言葉にして伝え合う2人。もしかしたら他のカップルなら、何となくケンカして何となく怒って、でも時間が経ったら何となく許し合うこともあるかもしれない。だけど「ちゃんとケンカしよう」という言葉の通り、何となくで通ることを通さない。だからこそ、さらに深くわかりあうことができるのかもしれないなと感じました。

そしてもう一つ思ったのは、これは映像にすることが結構難しかったんじゃないかなっていうことでした。劇中で、2人が実際に会ってデートしているのは、実はたった3回という少なさ。伸とひとみはメールのやりとりで出会い、その後もメッセージアプリを介しての文字のやりとりで話が進んでいく。だから小説ではこれでもいいけれど、これを映像にするとなると、画が変わらなくて単調な印象になってしまう。だからといって、2人にとって大切な「言葉」をやりとりするシーンはあんまり削れない。線引きがとても難しかったと思うんですが、それをとても自然に映像作品に変換されているなと感じました。

例えば、伸がひとみに髪を切ってみないかと言った後のひとみは、「今まで長い髪で補聴器を隠してきた。怖い気持ちもあるけど、伸さんが補聴器を見せた方が楽になるって言うならそうする」という思いになります。ここは、原作ではひとみはメールで伝える箇所だけれども、映画では伸の実家の美容室に2人で向かっている時に直接ひとみが語る。こうやって、原作では文字だけで伝えているところを、できるだけ実際に語らせている。さらにそれだけではなくて、映画ではそのひとみの思いを聞いた伸が何も言わずにそっと手を握る。ひとみの思いを受け入れ、励まし、支えるように*3。「言葉」を大切にしている2人だけれども、そっと手を繋ぐこの空気感はうまく言葉では言い表せない。メールの文字だけでは伝えられないこともある、それこそが2人が出会った意味なのだと感じさせてくれます。そうやって、原作のエッセンスを大切にしつつ、「映画だからこそ」できることを追求して、素敵な作品に仕上げてくださったと感じました。

 

最後に、主演の玉森裕太さんのことを。あえて、「関西弁」というワードを使わずに書いてみます。

玉森さんは、各種雑誌やインタビューでずっと、「伸さんと自分は全然違う」と言い続けていました。私はそれを聞いて、全てが違うわけではないと思っていて。ただきっと、一番違うところが、一番難しかったところなんだろうなぁと、まだまだファン歴の浅い私ですが感じます。それは「感情が表に出るか」というところ。

前項の、原作との違いのところにも大いに関係してくるのですが、この映画は文字だけのやりとりで話が進んでいくところが多く、淡々と進めていくだけでは単調になってしまう。だから、タブレットの画面を見てメールを読んだ後の嬉しさや驚きや悲しさも、大きく表現することが求められていたように思います。伸さんの感情の起伏が、そのまま、この物語の起承転結になる。それは普段、『いつもクール』とか『何を考えているのかわからない』と言われることもある玉森さんにとって、大きなハードルだったのではないかと感じます。実際、雑誌でも、監督にもっと表現を大きくすることを求められて、「自分が十分だと思っていても伝わらないことがあるのかと思った」ということを語っていて。

ただ、それを乗り越えた先に良いものができる。特に素晴らしいなと思ったのは、ひとみとの初デートのシーンでした。ひとみとのやりとりがなんだか噛み合わないし、会ってみたら今までイメージしていたひとみの印象と違ってちょっとワガママだし。最初は小さな違和感だったものが、少しずつ戸惑い、苛立ち、そして怒りに変わっていく。それが一つ一つきちんと伝わってくる。「字幕やったらなんでもええねんな!?」の言い方とかとても好きでした。求められるものは高くて、しかもやり過ぎてはいけないから繊細で。それが出来たことは、玉森さんにとっても大きな収穫だったのではないでしょうか。

玉森さんと伸さんの違うところはここでしたが、じゃあ似ていると思ったのはなにかというと、それはベタな言葉ですけども「芯の強さ」。一度決めたことはやり通すし、絶対に弱いところを周りに見せたくない玉森さん。伸さんも、ひとみと何回もぶつかりながらも、決して投げ出すことはせず、ひとみのことを理解しようと努力し続けた。自分が一度決めたことは絶対に譲らない。その決意やそれに伴う感情が表に出やすいかどうかという違いなだけで、きっと根本は同じなんじゃないかな。だからこそ、伸さんの、柔らかいのに強いという相反する印象を併せ持つところを表現できたのではないかと思いました。

 

 

 ここからは、さらに細かいことを箇条書き。

  • 最初はひとみさんのメールは、(西内さんではない)架空の女性の声で読まれている。けれど、伸さんが街行く人達を見ながら「ひとみさんはどんな声をしてるんやろ…」と感じて会いたいと思って、実際に会えることになった後のメッセージアプリのやりとりでは、今までの女性の声で文字が読まれることはなく、文字が表示されるだけ。架空の女性の声ではなくなるんですよね。ここで、本当に会えることになったっていうのを表現している感じがします。
  • これはどんなジャンルであれオタクの方だったら共感してもらえると思うのですが、ブログやツイッターを見て「この人と話してみたい!」って思う人と会った時って、映画を見に行くような間もなく、「あの作品いいですよね」「あれいいですよね私も好きです」って、ひたすら語る時間になりませんか?だから私、最初に映画見に行くってなった時、「えっ語る時間、そんなに短くていいの!?」って思っちゃった(笑)。原作では、本の趣味が一緒で、フェアリーゲーム以外にも色々な本について語り合っていましたね。映画でそういう場面がもう少しあっても良かったかも。
  • 基本的に、穏やかにゆったりと時間が流れ、それに合わせるように流れるように移り変わる場面の切り替えですが、一面黒い静止画*4が挿入されて切り替わる箇所が、おそらく3箇所*5。初デート前のシーン、映画館で伸がひとみの補聴器を見たシーン、そして伸の父親の手術後の病室のシーン。全部ストーリーの肝となるシーンで、それをより印象づけるように、バッサリ切り替わるようになっている。
  • 特に印象的だったのが、初デート前のシーン。その前のシーンでは、伸が会社で新商品を試食しながら会えるのを楽しみにしているという穏やかで色彩鮮やかな場面なのに、黒の静止画が挿入されて次の場面は、どんよりと暗い雨の風景、さらにけたたましく雨の降る音が鳴り響く。一回目見た時は気付かなかったんだけど、二回目に気付きました。これは、これから始まる初デートで起こることを予感させる不穏な空気を表現しているのかもしれませんね。
  • いちいち言うことでもないんですけど、ひとみの補聴器が見えて、一瞬完全に無音になるところ本当に素晴らしいですね。伸の「頭が真っ白になる」という感じを表現しているように思える。
  • ひとみが自宅に帰ってからのシーン。一回目に見た時、「おそらく原作でもここから視点が伸からひとみに変わるんだろうな」って思って、実際に小説を手にとって読んでみたらその通りだったのですごいなぁと思いました。この、「語り手が切り替わる」感じが映像でもちゃんと伝わってくる。
  • 初デートの後、両親と少し言い争いになって、自分の部屋に戻ったひとみが補聴器を外す。この場面で、ひとみの聞こえを再現するところ、これを劇中に何回も入れず、一回に絞ったのは英断ですね。印象に残るし、結局私はひとみさんの聞こえを全部理解することはできなくて、この劇中でもどこまで聞こえているのかわからないところがたくさんあって、それも含めて分かり合おうとする努力が大切なんだろうなって思うから。「だからこそ努力をしてるんだ」ですね。
  • この作品ですごいなって思うのは、伸とひとみだけではなく、登場人物全員に今までの人生があるんだというのを感じさせてくれるところ。ミサコさんですら、「今まで何でも許されてきたけど伸にハッキリ言われたことがグサっときた」という一言で、バックグラウンドを感じさせられますもんね。
  • 2回目のデートでひとみが帰ってしまった後の伸さんのメッセージ、「足のケガはどうですか?結構目立ってたから心配です」ってさー!!先に帰ったことを責めもせず、そうやって言うところ、爆モテコースだよねー!!なぜ恋愛偏差値低いのかわからん!!
  • 絵馬のシーンかわいいね。素直に「伸さんに私を選んで欲しい」と言えない乙女心。ひとみさんのめんどくささ表してる。
  • 原作にはない、美容室は大阪という設定で、大阪に移動するシーン。画が変わるように、ストーリーに展開をもたせるようにという工夫だと思うんだけど、新幹線の疾走感は、物語が大きく動く前の助走のようで爽快ですね。
  • そしてここ!問題はここですよ!ひとみが、社内で襲われたっていう話をしたときに伸は「そんな時に自分の身を守れて、偉かったなぁ」って言うんですよ。偉かったなぁって、なに!?爆モテコース再び!!恋愛偏差値が低いなんて嘘だ!!
  • こんな時に、「大変だったな」とか「大丈夫か」っていうのは聞いたことあるけど、「『偉い』と言われる」という概念が私の中になかったので新鮮すぎて本当にびっくり。私、正直、最後のシーンよりもここが一番キュンとしたシーンなんですけど、おかしい!?←多分おかしい
  • ……って、ここまで大騒ぎしといて何なんですけど、標準語の「偉い」と関西弁の「偉い」はちょっとニュアンスが違うのかな?
  • ショッピングのシーン、伸さんのファッションセンスは…あれでいいの……?(笑)

 

 

なんだかとりとめもなく色々と書いてしまいました。こういうことを色々考えた後の、最初の言葉に戻ります。

楽しいことばかりじゃない、うまくいくことばかりじゃない、でも人を信じるというのは素敵なことだよ、というシンプルなことを丁寧に描き切った繊細さに胸を打たれました。

丁寧に言葉を選んで真摯に理屈を組み立てる伸とひとみのように、一つひとつのシーンを丁寧に積み重ねて表現した素敵な作品。私自身がKis-My-Ft2を好きになったこの時に、いちキスマイファンとしてこの作品に出会えたことを、とても嬉しく思いました。

 

きっと今も、伸さんとひとみさんは、この世界のどこかで時間を刻んでる。

 

 

レインツリーの国 (新潮文庫)

レインツリーの国 (新潮文庫)

 

 

*1:ミサコさんいいキャラでしたよねーっていうことも後で書きます

*2:映画では、お父さんは写真を見てもしかしたら伸を思い出すかも…という希望を残した終わり方にしていましたね

*3:ちなみに玉森さんも雑誌でここのシーンが結構好きだと語っていてとても嬉しくなりました

*4:黒コマっていうのかな?

*5:間違ってたらすみません

わたしが勝手に選ぶ、千賀健永さんの印象的なコメント2015

キスマイにハマってからのこの一年、コンサート、テレビ出演、雑誌などいろいろなお仕事を拝見していたのですが、その中でもかなりテンションが上がったものの一つが、千賀さんの「ナカイの窓」ソロ出演でした。まずナカイの窓に呼ばれること自体が光栄なことであり、さらにそのテーマが、私の大好きな「MC」という点を評価されたということもあって、大変嬉しく思っていました。

  

mgmcnlife.hatenablog.com

 詳しくはここに書いたのですが、私は以前から、キスマイでは北山さんが仕切るけれども、舞祭組では千賀さんが仕切らなければいけない、という特殊な状況におかれている千賀さんのMCに不思議と惹かれていました。そんな中でお声をかけてくださったナカイの窓のスタッフ陣の皆様には本当に感謝です。

まだまだ世間には、千賀MCのイメージなんてない。そもそも本当に向いてるの?と思う方もいらっしゃると思います。もちろんまだまだ経験不足だと思います。けれども、この放送の中で、千賀さんが南海キャンディーズの山里さんにあこがれているということを公言し、私はそれにとても納得したのです。バラエティでの千賀さんを見ていると、印象的でインパクトがあり、いい意味で引っかかるフレーズを残してくれることが多くて。きっと、本当に山里さんを見て勉強しているんだろうなぁ。

というわけで、せっかくなので、今年の印象的な千賀さんのコメントを私の独断と偏見で勝手に集めてみました。

 

 

 ・「キスマイBUSAIKU!?」 3/12放送回にて

禁断の告白というテーマで2位。VTRでは、千賀さんの告白中、相手役を務めた新川優愛さんが涙を流していた。メンバーに、あれは泣いてくださいとお願いしたのかと聞かれて、そうではなく新川さんが役に入って自然と涙を流してくれたのだと説明。

 『新川さん、俺よりもね、俺のストーリーをわかってる』

 
・「キスログ」 5/8 更新分にて

『やっちゃった!!』が1位を取れなかった舞祭組の罰ゲームとしてスカイダイビングをやった時の様子がキスブサでオンエアされた直後の更新。スカイダイビングを普通に楽しんでしまい、全然罰ゲームっぽくなかった横尾さんについて述べる際、

 『正解かどうかは判断できないが、笑顔で楽しそうに飛んで行った』

 

・「キスマイRadio」 6/10(宮田・千賀)放送回にて

宮田さんがA.B.C-Zの塚ちゃんと一緒に秋葉原のフクロウカフェに行った時、一般のお客さんがフクロウを撮っていた写真にたまたま2人が映りこんでしまった。そのお客さんは撮影時には気付かなかったようだが、その写真を見たお友達が2人の存在に気付き、ネット上で拡散されてしまった。

…という話題を受けての、千賀さんのコメント書き起こし。

千賀:その写真、実はオレも見させて頂きましたが、結構がっつり写ってたね。なんか普通に、キスマイのシングルのジャケ写の、前3人と後ろ4人の距離感ぐらい。だから別になんか、不自然でもない。フクロウメインのシングル?みたいな。

宮田:いやいや、不自然だろ、それが不自然だろ(笑)

千賀:なんか、良い感じのポジションだったのよ(笑)。距離感的には、「We never give up?」みたいな。

宮田:あはははは(笑)

千賀:「Everybody Go?」みたいな。それくらいのタイミングのオレらのジャケ写の距離感だったよ。

話題はちょっと際どいですけども、何よりこの話題の前に千賀担に直接呼びかけて賛否両論巻き起こしたあの回なんですけども(苦笑)、でもこのくだりはすごい好き。「フクロウメインのシングル」というフレーズの強さ半端ではない。

 

・「ザ少年倶楽部 サマースペシャル2015 今夜はたっぷりキスマイ伝説」 7/25放送回にて

Kis-My-Ft2とA.B.C.-Z全員出演で、過去のザ少年倶楽部の映像を見ながら懐かしのトークを繰り広げた番組。しかし、なぜか番組開始から全然しゃべらず、動かず、リアクションも薄いA.B.C-Z五関さんに対して、

 『冷凍庫に30分くらい居た後みたいになってるけど大丈夫?』

 

・「キスマイBUSAIKU!?」 8/17 放送回にて

「ヨリを戻したい元カノにカラオケ中に告白」の回。この回で1位、さらにこの前の回で1位と2週連続で1位を獲得した二階堂さんに対して、

 『うぇ~い!二冠堂!!』

 

・「ナカイの窓 次世代ゲストMC選抜回」 8/19 放送回にて

UTAGEでよく中居にされていた口元伸びているいじりをこの番組でもされ、「千賀の口元が長すぎてみんなに当たりそう」という謎のいじりが始まり、みんなが千賀から逃げるというくだりをやり、少し間をとってそれが落ち着いた後の一言。

 『……割と小2くらいからコンプレックスなんですよ実は。あんまりそこまでイジんないでください』

 

・「キスマイBUSAIKU!?」 8/31 放送回にて

「高級寿司店で大人っぽい背伸びデート」でゲストは吉田羊さん。北山さんが1位を取った後、羊さんに、7位の二階堂と一緒に「この二人は全然ダメ」と怒られまくった後、

 『オレ、4位なんだけど……』

 

 ・「キスマイRadio」 10/14(玉森・千賀)放送回にて

玉森さんが小学生の時の淡い恋のエピソードを語る。4年生の時、告白してきた女の子がいたんだけれども、玉森さんは彼女のことが好きではなかった。しかも、その女の子の隣に付きそいのような形で立っていた女の子がいて、玉森さんはその子のことが好きだった、という漫画のような話。しかしここからがすごい。テンパってしまった玉森少年は、告白してきた女の子に「僕、君のこと嫌い」と言って背負い投げしてしまった、という前代未聞の衝撃エピソード(笑)。それを爆笑して聞いた後の千賀さんの一言。

 『おかしいでしょ!ヤワラちゃんじゃないんだから。背負い投げされた時の気持ちも考えて、本当に。ホコリも立つし』

ホコリも立つしwwwww

 

 ・「キスマイBUSAIKU!?」 10/20 放送回にて

この日、ゲストで来た松坂桃李さんについて言及する際、

 『顔から上を交換したい芸能人No.1』

(このコメントは放送ではカットされてしまったようですが、こちらの現場レポに書いてありました。モデルプレスさんありがとうございます!)

mdpr.jp

 

・「キスマイRadio」 12/2(藤ヶ谷・宮田・千賀)放送回にて

 今だったらサンタさんにどんなプレゼントをお願いする?と聞かれ、

 『無限にコラーゲンを生み出せる化粧水があったら欲しい』

 

・「キスマイRadio」 12/9(二階堂・千賀)放送回にて

このコンビでのラジオが2年9ヶ月ぶりだと聞いた際、

 『2年9ヶ月ぶり!?えっ、もう他人じゃん!!

もう他人じゃんwww あー面白い。

 

 

…と、こんな感じで、好き勝手まとめてみました。でも正直、こういうブログを書こうって思いついたのがほんの一週間くらい前で(笑)。なので、いいなと思ったコメントがあっても、それがいつの放送なのかを調べたりするのが大変でした。加えて、たぶんその時はいいなって思っても後々忘れてるものとかもたくさんあるので、ぜひ、「こんないいコメントもあったよ!」っていう皆様のおすすめがあったら、ツイッターのリプとかでお教えください(笑)。こういうことをやりたいなって思うんだったらその時々でちゃんとメモってなきゃダメですよね。来年の参考にします。……来年やるかどうか分かりませんが(笑)。

 ナカイの窓に出演し、憧れの山里さんから直接、「言葉を考えていることが苦にならない。趣味と実益を兼ねてるんですよ」というお話しを聞いた際に、千賀さんは目をキラキラさせながら「アーティストみたいですね」と言っていた。それがイジってる様子でもなく、面白いことを言おうとしている様子でもなく、本気でそう思っているようなので私はびっくりした。なるほど、アーティストかぁ。千賀さんにとっては、面白いフレーズを生み出すことも、歌やダンスと同じように「芸術」なのかもしれない。「表現」という同じカテゴリーなのかもしれない。MC力はまだまだこれからだけど、地道な努力はきっと着実に実を結ぶ。そしてその努力を努力と思わずに、肩の力を抜いて自然に自分の思ったことを表現できるようになれば、さらにもう一歩開けてくるんじゃないかな。そんなことを感じます。 

本日はちょうど舞祭組結成2周年。舞祭組で動く時には北山さんがいないし、他のメンバーにはそれぞれキャラがあるから、自分がやらざるを得ない。だから舞祭組のトーク力をあげるには自分が頑張るしかない。歌やダンスといったパフォーマンスの根幹はもちろん、MCやトークの部分で成長し、貢献したいという千賀さんのこれからを応援して見守っていきたいなって思います。

 

 

 

……ここまで書いておいてなんなんですが、最後に、やっぱり千賀さんは絶対的MCにはなれないんだろうなって思ってしまった、恐怖すら感じる衝撃的な一言を残して終わりにします(笑)。きっと絶対的MCにはなれないけれども、自分の味を出しつつ、メンバーにつっこまれ支えられつつ、頑張ってほしいです。

 

 

・「Momm!!」 10/26放送回にて

ゲストの持田香織さんが、フルマラソンを完走したという話題になった際、

  フルマラソンって、何キロあるんですか?』

 

「好き」のグラデーション

前回、「なぜキスログの更新頻度が減ってしまったのか考える」という謎企画を行ったのですが、その際に一点、書こうと思っていたけれども直前で外した内容がありました。自分としては、キスログに対する思いという点では他の項目と変わらなかったのですが、ちょっとメインの書きたい内容とズレてしまったような気がしたので。そういうわけで、今回は、その外した項目を独立して書いてみようかと思います。気持ち的には前回の続編です。

mgmcnlife.hatenablog.com

 

根拠も証拠もなく、私が、こういう理由もあり得ないことはないかなって勝手に感じているだけなのですが、なんとなく「この時代に『ジャニーズの価値』を守るため」ということもあるのではないかなぁと思っています。

前回も書きましたが、最近はSNSが急速に普及して、芸能人もテレビや雑誌のメディアなどを通さなくても、自分自身で情報発信ができるようになりました。結果、一般の人達にとっては、芸能人が身近に感じられるようになったと思います。それは、いい点も悪い点もあるのだと思います。一例を挙げると、いい点は、親しみやすく感じられて、その芸能人に対して好意的な気持ちを持つ人が増えるということ。ただ、悪い点としては、一般人との距離が近くなりすぎてしまうこと。軽い気持ちでツイートしたことが拡大解釈されて炎上したり、ファンとやりとりしていてひょんなことから言い合いになってしまうようなこともあるかもしれません。*1

そんな時代に、ジャニーズの皆様のブログは有料のwebページに登録しないと見ることができない。更新する際にも、どの程度かはわかりませんが事務所のスタッフさんの目も入っているのでしょう。一般人と気軽に触れ合うことはできないけれど、そうすることで守っている面も大きいのだと思います。有料で登録している方々は、そもそもジャニーズに対して好意的な気持ちを持っている人がほとんどのはずです。ネットで、芸能ニュースにいちいちかみつき、誰でもかれでも叩いてそれ自体が趣味のようになっているような人って時々いると思いますが、お金を払わないと見れないということは、そういう人達の入口をふさいでいますよね。そして、前回の「格」の話にも繋がってくるのですが、この時代に気軽に触れ合える存在ではないということで、タレントさんの価値を高める効果もあるのだと思います。キスログの更新頻度が減ってしまったのも、格をあげること、そして「これからはここじゃなくてもっとメディアで発信するから」という宣言のようにも感じられます。

ただ、こうやってタレントを守るという一面が強すぎて、ご新規さんが入りづらい印象を持ってしまうのではないかと思うのです。これはもういい年してこちらの世界にお邪魔することになった新規の感覚なんですけれども、社会人になってからジャニーズの世界を知ろうと思ったら、相当ハードルが高いように感じられてしまうんです。「好き」という度合いのグラデーションを、許してくれない感じがするんです。

例えば、ドラマを見ていて、ちょっと気になる俳優さんがいたとします。その人のことをもっと知りたいと思った場合、 今はネットで検索することが第一歩だと思います。すると、ドラマの公式Twitterアカウントが出てきて、撮影の裏話だったり、オフショットを見ることができる

→そこから、その俳優さんのTwitterinstagramアメーバブログとかを見ることができる

→読んでいく頻度が上がるにつれ、その俳優さんのプライベートや交友関係が垣間見え、どんな人なのかなんとなくわかってくる(ここまで全部無料)

→もっと好きになったらその人が載っている雑誌を買ってみる

→そして、ファンクラブに入ることを決意する、みたいな。

普通、なんだかよくわからないものに、いきなりお金を払おうとは思わないじゃないですか。お金を出そうと思うまでに、徐々に階段を上がるようにして、色んなことを知っていって、そこで初めて応援しようと決める場合が多いと思います。その段階を、公式で用意してくれているというのはありがたい。「好き」にも色々な度合いがあって、仮にファンクラブに入っている人を100%とすると、「ちょっと気になる(20%の好き)」とか、「毎日ブログを見てるけどファンクラブに入るほどではない、でも好きだよ(50%の好き)」とか、そういう、「好き」のグラデーションを公式で許容してくれている感じがするんですよね。

一方、ジャニーズの皆様の場合は、さきほど述べたように、公式で提供してくれている無料の段階がほとんどない。ドラマに出ている場合でも、その人の写真が載っているのはHPだけで、SNSではNG。制作発表などの会見がニュースになった場合でも、ネット上で公開される記事にジャニーズの皆様の写真はアップされない。CDジャケットや雑誌の表紙ですら「No image」ばかり。iTunesに楽曲は配信されていないから手軽に買えないし、そして、ブログは有料登録しないと見れない。そうすると、せっかく興味を持っても、なかなかその人を知ることができないんじゃないかと思います。試しに雑誌を立ち読みしてみればいいじゃんというご意見もあるでしょうが、明らかに学生じゃない外見で、本屋さんでアイドルが表紙の雑誌を手に取るのも、最初は結構勇気がいりますよね(笑)。私はもう何とも思わなくなっちゃいましたが(笑)。

それだけじゃなく、雑誌だけで言えばこんなデータが。

toriaezutori.com

出版不況の中でも、特に近年は雑誌の売上の落ち込みが激しいという話。これは純粋に売り上げだけのデータなので、その年代において雑誌の購買層がどれだけいるのかという割合はわかりませんが*2、もう最近は雑誌でできることがネットにとって代わられてしまっているという状況。だからそもそも、ジャニーズの中に気になる人ができたからといって、雑誌を手にとってみようという感覚にならないかもしれない。

だから、私のイメージとしては、他の芸能人の皆様が、階段を上がるように「好き」のグラデーションが許容されているのに対して、ジャニーズの皆様の場合は、その世界に行く前に大きなハードルが用意されているように感じる。文字通り「その世界に飛び込む」ような気持ちで、お金をはらってではないと知ることができない。好きのグラデーションではなく、ゼロか100か。いやあるいは、ゼロか、100か、マイナス100(←強烈なアンチジャニーズ)って感じ(笑)。

例えばこれが学生さんだったら、ある日学校で「実はちょっと私…最近キスマイが気になってて……」とぼそぼそ言った時点で「うそ!!!早く言ってよ!!!雑誌貸すよ!!!一緒にコンサートDVD見よう!!!」みたいな優しいお友達が周りにいる可能性もあるだろうけど(笑)、社会人には結構厳しいですよね。正直ちょっとキスマイのことが気になってる、でもドラマのツイッターアカウントには出てこないし、ネットに公式の写真も上がっていないし、どうやらブログもやってないらしい(ジャニーズwebの存在も知らない、教えてくれるお友達も周りにいない)。そうなってしまうと、せっかくの「10%の好き」が、増幅されるチャンスがないまましぼんでいってしまうようで、実際そういうケースもいっぱいあるんじゃないかなぁと思います。顕在化していないだけで。私だって、こっち側に来れたのはいろんな偶然が重なったからで、結構奇跡だと思ってる。

 

色々書いてきたけれど、もちろん、ジャニーズ様がこの「好きのグラデーション」を作らないのは、おそらく意図的な面もあるんだろうとは思います。お金を払った人じゃないと見れない閉鎖的な環境だからこそ、ある種の熱狂的、狂信的なパワーを生み出すことができるという利点もあるのだろうしね。それに、そうやって高いハードルを乗り越えてくれた人達だけでも興行として十分成り立っているから、わざわざとやかく言うことではないですよね。けれども、私はやっぱり、メンバーがキスログで「今週のキスマイBUSAIKU!?はすごいことになってますよー!!」とか、「この撮影は大変だったー」「面白いから絶対見てね!」って告知しているのを読むたび、なんだか複雑な気持ちになるんですよね。多分、わざわざ登録してキスログを見ている人達は、「だいぶ好き」な人達だから、言われなくても見るというか。見るかどうか微妙な人達、そういう層には彼らの言葉が届いていないもどかしさ。

そんな訳で、やっとキスログの更新頻度の話に戻るんですけど*3、わざわざその高いハードルを飛び越えて新しく入ってきてくれた人達なんだから、それを満足させられるだけの更新にして頂きたいし。でももし、様々な事情で難しいなら、キスログは無料開放してもいいんじゃないかなぁ、なんて思ってしまいます。今までジャニーズの世界に無縁だった人をどんどん取り込んでいるキスマイだからこそ、そういう「好きのグラデーション」を許容してくれる環境がもう少し整えばいいのになぁ。キスログが無理でも、何かしらの形で、もう少し階段を作ってくれればいいなぁ、と漠然と感じています。

 

*1:もちろん、ここで述べた良い点も悪い点もほんの一例で、他にも色々あると思います

*2:つまり、人口が減ってるからどうやっても売り上げは落ちるんじゃないかという

*3:戻るの遅すぎ

同じ時代を生きている ―キスログの更新について―

ジャニーズウェブ内で連載されている、Kis-My-Ft2の連載「キスログ」。先週の月曜日、スマホでいつものようにキスログのページを開いてみると、普通は1日で2人か3人が同時に更新されるはずなのだが、更新されているのは北山だけ。あれ?と思いながら読み進めていくと、最後に衝撃のお知らせが書かれていた。

今までキスログを書いていて慌ただしく書いていたこともあったので、皆さんにゆっくり考えた文章でちゃんと伝えたいと思い、週替わりの月曜日、メンバー交代交代でキスログを書いていくことにしました。 

 今までは、毎週月・水・金のどこかで各メンバーが必ず更新していたのだが、これからは更新は月曜日だけ、しかも更新されるのは一人だけらしい。つまり、今までは各メンバーが1週間に一回更新していたのが、これからは7週間に一回になる……ということらしい。これは結構な事態ではないか。

まず思ったことは「とりあえずなんで今…?」ということだった。メンバーが忙しいことは重々承知している。けれど、あのツアー&ドリボの尋常じゃないスケジュールの時期を乗り切ったんだから、逆に今なら出来るんじゃないかと思うんだけど…。7週に1回はやっぱり長すぎるし、せっかくドラマに出てるメンバーが多いこの時期にやらなくても。ツアーの総括聞いてないし、それなのに次に更新されるメンバーは一番遅くて6週間後なのだ。もうツアーのことなんて忘れかけているだろうに。せめて来年からにすれば良かったのでは…なんで今…?

というわけで、ちょっと寂しすぎるので色々書きます。

 

キスログの更新頻度が減ることについて、ブログやTwitterなどで様々なご意見を拝見した。その中で多くの方が書いていらっしゃったんだけれども、やっぱりキスログの最大の魅力は「リアルタイム性」というところにあったんじゃないだろうか。

ジャニーズのみなさんと生で会える機会は、コンサートとか、舞台とか、番組協力とか、年に数えられるほどしかない。でも、生で会える機会が少ないからこそ、「同じ時を生きている」と感じられる瞬間が嬉しい。

 昨日は雨が降ってたね

 いま舞台の稽古してます

 寒くなってきたから鍋がたべたいな

ジャニーズ事務所に属するアイドルのみなさんは、Twitterinstagramなどは利用していない。SNSが驚異的な勢いで普及し、情報が伝わる速さに重きがある時代に、彼らの言葉は有料の公式HPで、自分からアクセスすることでしか見ることができない。だから、Twitterほどの速さではないけれど、つい数日前のことを報告してくれる時、すごく嬉しい気持ちになった。同じ空の下にいて、同じタイミングで季節の移り変わりを感じて、同じ時を過ごすためのコンサートや舞台の準備をしてくれている。同じ時代を生きている。そう思った時、彼らは手の届かないところにいるけれども幻ではないんだ、と感じられて、その絶妙な距離感が好きだった。

前述の北山のキスログには、『ゆっくり考えた文章でちゃんと伝えたい』と書いてあったんだけれども、キスログにそんなに改まった内容は求めてなくて。日々の些細な事柄を書いてくれるのに対して親近感を覚えるし、そんな中に、ふと真面目なことがちょこっと入るくらいで丁度良い。ゆっくり考えた文章ってなんだろう。毎回毎回「感謝してます」「みなさんのおかげでここまで来れました」的なこと言うのかな。ちょっとくすぐったいな(笑)。直接的に何か言わなくても、パフォーマンスで全部返してくれればいいのにな。今更、ちゃんとスーツ着てくるから会うのは7週間に一回にしようって言われても、普段着でもいいから毎週会いたい。キスログにスーツ求めてない。

 

……と、ここまでが私の基本的スタンスです。

では、以下、なぜこのタイミングで一気にこんなに更新頻度が減ってしまうのかを勝手に考えるという謎企画を始めます。いちファンの勝手な憶測なので無意味極まりないため、「なんじゃお前」と思われたかたはリターン推奨です(笑)

理由は色々と考えられると思うんです。一つ目に、例えばキスマイの運営陣から、「お前ら適当なこと書きすぎ。7週に1回で良いからちゃんと書きなさい」と怒られたとした場合。実際、時々「全然中身ないな!」みたいなキスログが更新されたこともあったし(笑)。でも、もしこんなことがあったとしたら、運営陣の皆様は時代を読めていないんじゃないかなぁと思います。先ほども言いましたが、キスログの最大の魅力はそのリアルタイム性にあるので、正直、中身はあんまり意味がなくてもいいんです。面白いことでも、真面目なことでも、その時その時に書きたいことを書いていてくれればそれでいいんです。

二つ目に、例えばキスマイの側から「忙しすぎてちゃんと更新できないので頻度を減らしてほしい」と言い出した場合。もし本当に、ちゃんとした文章が書けないことが申し訳ないと思っているなら、キスマイは変な所で真面目すぎるんじゃないかなぁと思う。もちろん、誠意を持って真心こめて書いてほしいけれど、だからといって硬い文章を求めている訳ではない。日頃の彼らの発言は、テレビ番組の収録でも編集されるし、雑誌でもライターさんの裁量によって紙面の言い回しが変わってくるため、完全に彼らが書いた文章が手元に届くことは本当に貴重な機会だ。だから別に、キスログは完璧な文章でなくてもいい。多少は校閲されているだろうけれども、絵文字や顔文字の使い方ひとつに個性が出てるのを見るのも嬉しいんだよ。本人たちも、周りのスタッフさんも、そういう時流やニーズを読めているのだろうか。

あっ、書き忘れてた。三つ目。本人達がただ単に「忙しくてしんどいからキスログ減らして~~~」って言っていた場合。これは、もしこれだったら、ちょっと怒る(笑)。まあ実際には、こういう面があったとしても複合的な理由の一つではあるとは思うんだけど。

四つ目。実は何気にこれ可能性高いのではないかと思うんだけど、「『言及しなければ不自然』という状況になった場合のリスクを回避するため」。……タイトルが意味不明ですね(笑)

今年の後半、特に色々なことがありました。6月の藤ヶ谷さんの件も、10月の千賀さんの噂もろもろも。内容に関わらず、何か際どい報道や予期せぬ事態が起きた際、ファンはどうしても「次のキスログでは何を書くんだろう」と構えてしまいます。でも大抵の場合はスルーになる。週刊誌に載ってしまったりした場合、本人がその事実を知らないはずはないため、言及しなければ不自然だという状況になってしまう。そうなると、「何か言ってくれると思ってたのに!」「自分の口から否定してよ!」とそれはそれで騒ぎになるケースがある。何か書いても騒がれるけど、スルーしても騒がれる。でも、キスログの更新頻度を極端に減らせば、その「スルーしても騒がれる」リスクが減るかもしれないなと思うのです。その人の更新の順番が数週間後だとしたら、徐々にほとぼりも冷めているだろうし、その間にあったお仕事の話とかをすることで、雰囲気ごまかすことができるだろうしね。なんかそんな思惑もちょっとあるんじゃないかなぁと思いました。

 

さて、ここからが今日一番書きたかったことです(笑)。毎回長くなってしまってすみません。最後です。

五つ目。これが、『希少価値を高める』とか、『格を上げる』という目的だった場合。

今回、こうやって更新頻度が下がることで、結果としてキスマイの言葉の価値は上がります。それはすなわち、彼ら自身の言葉や考えに触れる機会が少なくなったということで、彼らの希少価値が高まります。そうやって、アイドルとして・芸能人としての「格」が一つグレードアップしたような印象を受けます。「大御所はブログなんかやらないんだよ」的な(笑)。これまで、「なんでもやります!」というスタンスで、どんなことにも挑戦し、バラエティに出まくって顔を売ってきたキスマイ。その、量重視の活動から、質重視の活動へとシフトしていくよということの表明なのでしょうか。

でも、私、思うんですけれども、世間一般から見た場合、今回のこのキスログの件で、「格」が上がるのでしょうか。

だって、世の中の多くの人は、まずキスログの存在すら知らないと思う。つい9ヶ月ほど前の私もそうだった。まず、「有料とはいえ、ジャニーズのタレントさんが書いたブログを読めるサービスがあるんだね??」っていうレベルの人が、いっぱいいるはず。そういう人達にとっては、キスログの更新頻度がどうなろうが関係ないし、その人達の体感で彼らの価値が上がったとは考えられないだろうと思います。

では一方、キスログを日頃から読んでいるファンはどうかというと、そもそもファンの中では、キスマイの格は最初から高いんじゃないでしょうか。元々、どうやっても直接触れあえない、直接関わりあえないことなんて、みんなわかっている。彼らは自分とは住む世界が違う、2.5次元のような存在だ。わかっているけれどもその中で、彼らの言葉を読むことによってちょっと距離が近付いたように感じられるのだ。だからファンにとって、更新頻度が下がることはただ単に、ファンが自担やキスマイに対する熱量までも下がってしまうことでしかないように思われてなりません。まだまだ発展途上のKis-My-Ft2が、自らファンを手放すようなことになってしまってよいのでしょうか。

 

長々と書いてきてしまいましたが、つまり何が言いたいかというと、今回の更新頻度改編は一体誰のための何なのか全然わからないということです。多くのファンは、ゆるい内容でもいいから毎週読みたい、リアルタイムで彼らのことを感じたいと思っているのにそれと間逆の方向に行っている。また、格を上げようとする思惑なのだとしたら方法が違う気がします。週一月曜日の更新が変わらないというのならせめて、1人・2人・2人・2人、くらいに分けて、各メンバーが月一回は更新してくれるようにしてくれませんでしょうか。やっぱり7週に1回は長すぎて待ちきれません。

……本当はわかっている。ここで色々書いていたって、すぐに状況が変わる訳ではない。新規が偉そうに首をつっこむことではない。キスログが少なくなろうが、その分を他のメディアで埋められればよい。ファンを手放してるんじゃないかとか言ってるけど、究極他の人がどうであろうが、キスマイがどうなろうが、ファンなんて自分が楽しめればいいはずだ。正直今回だって色々書いてきたけど、結局「わたしが寂しいからキスログ減らさないで~」の一言で済む話と言えばそうだ。それなのに自分は何をこんなに長々と書いているのだろう。

わかっているけれど、やっぱりキスマイが好きだから、そして彼らが「国民的人気者になりたい」と堂々と口にするなら、彼らのことを好きな人がもっと増えればいいなと思うから。末長く愛される人達になればいいなと思うから。

素直に事務所に振り回されるのが「いいファン」なのかもしれないけれど、素直に受け入れられない部分も正直に表明しつつ、適度に自分の軸を持ってファンを続けたいな、と思う次第であります。

 

(余談)

 過去、キスログについて書いた記事。自分で言うのも変ですが、なにげに気に入っています。

mgmcnlife.hatenablog.com

 

 

キスログとはあまり関係ありませんが、途中ちょっと述べた「アイドルの2.5次元性」についてすーごく面白かった記事を勝手にご紹介させていただきます。『アイドルに求めるのは疑似恋愛ではなくて、アニメや漫画のファンに近いのでは?』っていうところが衝撃で、「それだーーー!!!」ってなりました。私は多分キスマイのことを、「国民的アイドルを目指す7人の物語」というコンセプトの漫画を読むような気持ちでみているんだろうなぁ。

fuhouse.hatenablog.com

 

DREAM BOYS(9/16) 初心者の雑感

もう一ヵ月以上経ってしまったのですが、9/16に、DREAM BOYSの昼公演を見に行ってきました。

以前他の記事で少し書きましたが、私はドリボを見に行くのも初めて、っていうか宮玉千の3人を生でお見かけするのも初めて、なんならそもそもジャニーズの舞台というもの自体を見に行くのが初めてでした。そんな初めてづくしの初心者が見に行って楽しめるのかなぁとか、歴史を知らなければいけない部分もあるんじゃないかなぁと不安だったのですが、結果とても楽しかったです。

公演中に色々と考えたこと、感じたことをまとめてみようと思っていたら、なかなか言葉がまとまらず、気付いたらもう11月になってしまいました。自分の考えたことを自分自身で上手く表現できていないなぁと思う箇所もたくさんあるのですが、思いきって公開してみます。なお、最初に述べたように、超初心者なので大したことは書いておらず、「そんなことも知らないの?」というところも多々あるかと思います。なのでこれは、【超初心者がドリボを見に行ってみた結果!】のような体験記のような心構えで読んで頂けると幸いです。っていうかそういうタイトルにすればよかったかも。

ストーリーや流れを思い出すに当たっては、こちらのブログを参考にさせて頂きました。シーンごとにまとめてくださっていて、とてもわかりやすかったです。

sasagimame.hatenablog.com

 

また、こちらのりおぴさんのブログは、ツッコミどころポイントを楽しみたい方にオススメです。「お前ボクシングやめたのにボクサー映画には出るのかよ!おこ!」という箇所で大笑いしました(笑)

leeohu.hatenablog.com

 

以下、いくつかのポイントに分けて書いてみます。

 

ストーリーについて

今までドリボも、ジャニーズの舞台も一度も見に行ったことがなかった私ですが、「ジャニーズの舞台はストーリーがトンチキ」という情報だけは、なぜか知っていました。方々からところどころに聞こえてきました(笑)。だから、見に行った時にストーリーが意味不明過ぎて面白くなかったらどうしようと勝手に思っていたのですが、実際見に行ったら大丈夫だった。むしろ、様々なツッコミどころはあれど、「理解できない!」「ついて行けない!」みたいな感情になったところは、ほぼないと言っていいと思います。

ただ、それは玉森班が、今年の舞台が始まるにあたって脚本を練り直したからということが大きいのだと思います。私は公演後にパンフレットを読んだので、後から知ったのですがすが、玉森班は物語の根幹は残しつつ、わかりやすいようにストーリーに相当手を加えてくれていたようで。玉森はパンフで「相関図を書いたりして…座長ってこんなに大変なのかと思った」と述べていたし、千秋楽のあいさつでも宮田と千賀に、「(稽古が)始まる前からさ、本をわかりやすくしようとかやったよね…」という趣旨のことを言っていたそうです。実際、私は去年のを見ていませんが、「去年よりずっとわかりやすい」という他の方のご意見もたくさんお見かけしました。初心者の私を振り落とさないでくれたのは、玉森班の努力があったからだと思います。その気持ち、ちゃんと伝わりました。ありがとうございます。

けれど一点だけ述べるとすれば、開演前にパンフレットのあらすじ部分を読んでおけばよかったなぁというところでした。これは個人的な話ですが、私は普段からネタバレが好きではなくて、普段ドラマや映画でも、HPやテレビ誌などに書いてあるあらすじの部分はほとんど読みません。初見の新鮮さを最大限に味わいたいと思うのです。

ただ、ドリボの場合は、いきなり最初から作品が急スピードで展開していく。最初のシーンで、新人王のタイトルを争ったユウタとケントだけれども、その次のシーンではもうユウタはボクシングをやめていて、ケントは勝ちを重ねてチャンプになっている。そんなに一気にチャンプってなれるの?と思っていたら、パンフレットを見て、このシーンは半年後の設定だということを知って、「そうだったの!?」となった(笑)。ここはさすがに前知識がないとわかんない(笑)。特に最初の方はそういう箇所がいくつかあったので、それを知っていればもう少し理解が深まって、物語に入り込む速度も速くなったんじゃないかなぁと思ったのでした。

 

この舞台全体・そしてジャニーズ舞台というものについて

スト―リ―には思ったほどトンチキ要素を感じなかったと書いた私が、それよりもやっぱり度肝を抜かれたのは、今まで生きてきて見たことがなかった演舞やアクションや舞台装置。スケールの大きさもそうだし、加えて、こういう仕組みでこういうことを表現するんだ!っていう驚きがありました。

私、今まで見たこともないのに生意気だったのですが、ジャニーズ舞台のストーリーがトンチキだと言われてるのって、派手な演舞や大技など(パフォーマンス)をメインに考えてて、内容(ストーリー)をそれに付随させてるからなのかなって思ってたんです。でも、実際見てみた印象は逆で、意外と、ストーリーで伝えたいことを表現するための大技って感じがしました。特にそれを感じたのが、仮面の世界と空中浮遊するシーン。どちらもそのパフォーマンス自体がすごい高度*1だけれども、その高度な演舞ありきというよりも、悪夢にうなされていたりとか、「ユウタが本当の自分を探して彷徨う」というイメージを表現するためのものだったのかもしれないなと。だから、私の思っていた以上に、ストーリーとパフォーマンスは一体化しているものなんだと感じました。

しかしまぁ、玉森の仮面の世界からの玉フラ&たまのぼりの流れ本当に、本当にすごかったなぁ。特に仮面と番傘のパフォーマンスは言い尽せないほどの衝撃でした。あんな演舞今まで見たことがない。それまで「かっこいい!煌びやか!楽しい!!」みたいな軽率なハイテンションで見ていたのに、鈍器で殴られたような衝撃。自分のいる帝劇の箱ごと異次元に持って行かれたような感覚。今が何年何月何日かわからなくなったような気持ちだった。ストーリーで理解できないと思ったところはなかったのに、この仮面の演舞で「理解できない……」って、ちょっと思ったくらい(笑)

私が何にそんなにびっくりしたのか後から考えてみたのですが、演舞そのものに対しての衝撃ももちろんのこと、それ以上に「理解できないと感じるパフォーマンスを見た」ということに対しての衝撃もあったのかもしれません。例えば、サーカスを見に行った時でも、空中ブランコとか綱渡りを見て「すごいなー」と思うけれども、そういうパフォーマンス自体は知っているし、昔からあるじゃないですか。でも仮面の世界とか玉フラのパフォーマンスは、今までこんなもの見たことなくて、何がどうなっているのかわからなくて。20代も後半に差しかかってくるというそこそこ生きている年月の中で、そういう「理解できないと感じるパフォーマンスを見た」ということ自体が、新鮮だったのかもしれません。

そして、ジャニーズの舞台の魅力というものはおそらくそこなんだろうなと思うのです。普通に生きていたら、見ることも、知ることもない、人知を超えたハイレベルなパフォーマンス。新鮮で、異次元に吹っ飛ばされたような感覚を味わえるところ。同じ人間とは思えないところ*2

ただ、もしかしたら世の中には、この魅力を魅力として捉えることのできる人達ばかりではないのかもしれないな、とも考えたのです。私の観測範囲だけなのかもしれないのですが、最近はとみに芸術やエンタメに関しては、「わかりやすさ」が重視される時代のように感じます。趣味が多様化、細分化して、みんなが同じものを見ている訳ではない時代。だからそれがどんなにハイレベルであるかに関わらず、普段そのジャンルに触れていない、明るくない人でも理解できることができるか、わかりやすいか、親しみやすいか。そうやって、大衆を引き付けることができるわかりやすいもの=「良いもの」と短絡的に判断されてしまうことが、多いように思えるのです。だから、理解できないなりに楽しめる人と、理解できないものには魅力を感じない方もいるのではないかなぁと。そこがエンタメの難しいところだなぁと感じたのでした。ちなみに私は、「理解できない…!」と思ってしまったけれども、自分の想像を超えた所にある斬新な発想に打ちのめされたかったり、圧倒的なパフォーマンスをみて突き放されたりしたいので、むしろ「理解できない」という事態はとても嬉しいものでした。……こう言ってしまうとM気質なのかなって感じですが(笑)

ここからは完全に余談です。

私は今年の1月、某週刊誌の某メ○ーさんの発言に対してショックを受けてしまいました。かの有名な「SMAPは踊れない*3」ってやつです(苦笑)。それを知ってしまった直後は、なんてひどいことを言うのだろうと思っていた。正直、そんなの私もわかっている*4。まぁ踊れないというか、その…個性が爆発して踊りが揃わないというか…*5

もちろんヘタと言うつもりはないが、SMAPは歌も踊りも完璧ではない。けれども、バラエティでの親しみやすさだったり、5人の関係性だったり、なんでもチャレンジする姿だったりと、それをカバーするほどの魅力があったからこそ、完璧ではない5人でも圧倒的なオーラを身につけることができたのだ。歌やダンスを超絶上手い人を5人集めたところで、SMAPになるわけではない。そんなことくらい世の中の人みんなわかっていると思っていた。だから、よりによって事務所内部の人が、なんでそんなことを今更公の場で言うのかわからなかった。

でもそれが今回、ジャニーズの舞台というものを見に行って、やっと私の中で腑に落ちた部分があった。 多分、メ○ーさんの中では、ジャニーズのエンターテイメントというのは、こういう舞台・ショーが基本なのだろう。だから、煌びやかな世界で斬新な演出を繰り広げ、見る者を驚かし、圧倒することこそができてこそだという考え方ではないのだろうか。それは、SMAPがやってきた、バラエティで顔を売る「親しみやすさ」とは、ある意味で対極だ。そういう点で、言葉として出てきたのは「SMAPは踊れない」ということだったけれども、あれは言ってみれば、『根本的に私の目指しているエンターテイメントとは方向性が違う』という意味だったのかもしれないな、と、今になって思ったのでした。*6

 

ここからは、玉森・宮田・千賀のそれぞれの印象を。ただし、役柄やストーリーの話と、本人についての話がうまく分けることができず、ごっちゃになってしまっていますがご了承ください。

 

ユウタ(玉森裕太

初見なので他の方がどう演じているのかは全くわからない。けれども、「なぜか色んなことが降りかかってきて、それを全部背負い込み、肝心なところで助けを求めず、ひたすら批判を受け続ける」というユウタの感じが、そのまま私の玉森裕太のイメージにつながるなぁなんて思いながら見ていた。全部背負い込んで自分で解決しようとするので、周りになかなかその苦労が伝わらず、何を考えているのかわからないと言われ、さらに周りからの風当たりが強くなり、多分それもまた本人を苦しめる一因になっていて……あれ、私、今ユウタと玉森さん本人のどっちの話をしているのかわからなくなってきました。とにかく、私が多少なりとも本人のことを知っているからこそ伝わってくるものもあるなと思ったし、そうやって本人自身の前提知識があった方が楽しめるという面もあるのだろうな。

また、弟のユウキと静かに穏やかに過ごすことだけを願って、そのために自分の気持ちを殺していた場面が本編のほとんどを占めるからこそ、終盤のマダムとリカさんに思いっきり自分の気持ちをぶつけるシーンが映えるなぁと思った。ずーっと抑圧されていたエネルギーを存分に発揮してる感が、見ている側も気持ち良かった。

パフォーマンスの面で一番印象に残っているのは、たまのぼりの直前。玉森は、手にかけるロープ*7だけで体の全てのバランスをとっている。そのロープをグッと力を入れて手首に通し、吊りあがる直前、玉森は息を吐いて口をきゅっと結んだように見えた。その一連の動作が、これから始まるハードなパフォーマンスに挑む直前に気合いを入れる瞬間を垣間見れた感じがして、そしてこの人の背負うものの大きさを感じて、とってもドキドキした。

性格的には、センター気質や座長気質ではないのかもしれない。けれど、何はともあれ、最後に階段を下りて舞台の中心に立っている玉森さんを見て、なんだかすごい引力を感じたし、これがセンターの風格なんだなぁと思ったと言うか。最後は玉森にしか目が行かなかった。つくづく不思議な人だし、つくづくすごい人ですね。

 

 ケント(千賀健永)

チャンプのことを考えるにあたって、一番気になる点はやはり、彼がいつからユウタがボクシングを辞めた理由を知っていたのだろうということだ。それが本編で明確に明かされることはない。けれども、ユウタとチャンプの試合で、鉛の板を仕込まれていてそのパンチで倒れた後、ユウキに対して「ユウタを恨むなよ」と意味深な言葉を言っている。この辺りでもうケントは、ユウタがボクシングを辞めた理由がなんとなくユウキのことに関係があると気付いていたのではないだろうか。ユウキはケントのジムに入り浸っていたわけだし、そこで何か気になる様子があったとか。もっと言うと、ケントはそれよりもっと前に気付いていて、それを知った上で「試合しようぜ」と言っていたのかもしれない。

なぜそう思うのかというと、 「もしこの時点でユウタの事情を理解していたら」と捉えると、ただ怒ったり挑発しているわけではなくて、本当は心根が優しくて、ユウタと本音でぶつかりたかっただけなんだろうって感じられるからです。一見すると、ユウタに対して勝気で挑発的な態度を貫いているように感じられるケントが、病室のシーンで急にユウキにユウタのことをわかってやれと語り始めるのは、正反対のことを言っているように見える。けれども、「本音でぶつかりたかっただけだ」というシンプルな理由で考えると結構すっきりして、一本芯の通った人物、というケントの印象が浮かび上がってくる。その説得力をもたせられるところがすごいなと思ったのです。

今回の千賀さんは、演技プランを事前に考えるのではなく、その場その場のチャンプの感情を大切にしようと考えて演じていたそう。私は演技のことは全然わからないけれども、なんだかそれを聞いて嬉しくなった。その方がいいんじゃないかなぁ。色々と考えるよりも、感情で突き動かされる方が合っているような気がする。そして私も、この人に対しては理論よりも感性で見るのが一番合っている。

 

トシヤ(宮田俊哉

ユウタは何があったのか全く語ろうとしないし、ケントは頑なな態度を取り続けている。こんな2人の仲を取り持って、きっと何か事情があるはずだと、いつか昔のように戻れると、そう信じ続けられるのは半端ではない。私だったらこんな立場絶対いやだ(笑←)。優しいと一言で言っても、それを貫き、他人のために尽くし抜ける人はそんなにいない。温厚なトシヤが唯一怒りを全面に出したシーンも、リカさんがユウタの曲をないがしろにした時だけだ。宮田はパンフや各種雑誌でも、自分はトシヤとは全然違うというようなことを言っていたけれど、傍から見ている分にはそうは感じなかった。むしろ宮田だからこそできる役だと感じました。ビューティフルデイズの前のヤスイの「みんなトシヤの笑顔が大好きなんだ!」みたいなセリフすごくいいな。*8

また、キスマイコンサートの感想の時にも書きましたが、テレビで見るのと生で見た時の印象が一番違ったのは宮田だったかも。本当に立ち姿が美しくて、特にかっちりしたスーツっぽい衣装がとてもよく似合う。さらに、まあこれは役柄的なものもあるだろうけど、3人の中で一番セリフが聞き取りやすくて、発声がきれいだなーって思った。上手く言えないんだけども、一つひとつの所作がクオリティ高くて、当たり前なんだけど、あぁプロだなぁって思ったのだった。

 

 

ドリボは精神力を消耗する…というようなことを言っていたのは3人のうち誰だっただろうか。実際見に行ってみて、本当にそうだよなぁと思った。当然、フライングしたりローラーで走り回ったり、ボクシングしたり、逆さ吊りになったり、ぐるぐる回ったり、とにかく体力も激しく削られるだろう。でもそれと同時に、このハードでなかなか救いようのないストーリー。役柄上とはいえ、精神的に追いこまれる場面も多いため、それに引きずられそうになった時だってあったのではないだろうか。

そして、9月はキスマイのコンサートとも同時並行で、さらにレギュラー番組収録、PV撮影、各種雑誌の取材などで、休演日も休みではなかった。ずっと動き続けていた。毎日色々な仕事がある中で、体力的にも精神的にもここに集中させるのは本当に大変だったと思う。けれど、3人はそれを表には出さなかった。SHOW TIMEの時は可愛く楽しそうに歌い踊っていたし、幕が閉まる直前のあの千賀さんの満面の笑顔は忘れられない。

「頑張ってる」だけで評価される世界ではないことはわかっている。いくら忙しかろうが、いくら努力をしていようが、結果がすべてだ。だけど見ている側としては、「頑張っている」という姿自体に、胸を打たれる側面があるのも事実だった。それが、頑張っていることを辛そうに見せないなら、尚更だ。

去年の私は、このDREAM BOYSという舞台の存在すら知らなかった。だから今年だって、彼らがどんなに死力を尽くして舞台に臨んでいたか以前に、その存在すら知らない人だって世の中にはたくさんいる。ジャニーズの舞台が好みかどうかは見てみないとわからないけれど、こんな世界があるんだということをもっとたくさんの人が知ってくれるといいなぁと、勝手ながらに思った。彼らの努力が、もっと多くの人に伝わればいいなぁ、新しい世界に誘ってくれるようになればいいなぁ、何かしらの形でそういう状況がもっと整えばいいなぁと、生意気ながらに思った。

 

超初心者がドリボを見に行ってみた結果

 →私を新しい世界へ連れて行ってくれてありがとうございました。

 

*1:そして玉森はそれを難なくやっているように見せてしまう

*2:だからこそ「アイドルは2.5次元」という表現が合うのかもしれない

*3:http://www.johnnys-watcher.net/article/412747661.html

*4:←ひどい

*5:←墓穴

*6:でもだからと言ってSMAPだってコンサートでハイクオリティのパフォーマンスを見せているわけだし、そもそもバラエティ番組で共演しないことは何の理由にもならないし理解できないし、本当に本当に派閥体制に対する恨みは消えないけれど、その話をしているとこの記事が終わらなくなるので以下略

*7:正確にはロープっていうか布みたいな感じだと思う。そこに手首を通す感じになっていた

*8:記憶力皆無

ホントに見てない玉ヶ谷 ―改めてキスブサの魅力を考える―

久しぶりに、キスマイBUSAIKU!?の感想をこちらに書いてみたいと思います。タイトルは、今話題の「とにかく明るい安村」さんと同じ語感で読んで頂ければと思います(笑)

 

今週、10/19放送分のキスブサのテーマは、『怒って帰る彼女の二の腕(N)引っ張って(H)キス(K)』というものだった。彼女と二人でカフェでデートをしているときに、他の女性を見てしまったことに対して、彼女であるマイコが「ちょっと、今女の人見てたでしょ?」と、やきもちを焼いて帰ろうとしてしまう。そんなマイコを引きとめて、キュンとさせる「NHK」をするというお題だった。

今回、番組冒頭でこのシチュエーションが発表された時点で、Twitterの私のタイムラインでは非難ごうごうだった(笑)。「設定がひどい」「屋外でやらないで」「こんなことで怒る女が悪い」「彼女めんどくさい」などの辛辣な言葉が並んで、これこそがブサイクコメントじゃないかと思ってしまった(笑)。私自身も、これくらいで怒って帰ろうとする女なんてめんどくさすぎるし、小さいことでいちいちケンカしてたらこの先も上手く行かないだろうからもう別れたら?と思ってしまって(笑)。せめて怒る理由がもうちょっとマシだったらよかったのに。まぁ、そんなわけで、設定に対してはあまり共感できなかったけれども、VTR自体はそれぞれ個性が出ていてとっても面白かった。

今回の順位は、1位藤ヶ谷・2位玉森・3位横尾・4位北山・5位千賀・6位二階堂・7位宮田、という結果であった。放送では、宮田と藤ヶ谷が残り、先に7位の宮田が放送され、最後に藤ヶ谷のVTRが披露されることとなった。さすがのキング藤ヶ谷は素晴らしかった。キスをするまでの間が完璧すぎる。それを見ていたスタジオのメンバーも「おいおいー!」「なんだよこれー!!」「どっから出てくるんだよこのアイデア!!」と大騒ぎ(笑)

もちろん藤ヶ谷の「NHK」自体もさすがだったのだが、私はそれよりも一点、気になるところがあった。

藤ヶ谷、女の人、見てた…?

後日、改めて全員のVTRを見返してみた。もう一回見てみるとよくわかったんだけど、やっぱり藤ヶ谷は他の女性を見ていない。そして、2位の玉森も同じだった。他のメンバーは、設定に則ってがっつり他の女性を見ていたのに、この二人は女性がいる方向を見ていただけ・あるいはボーッとしていただけで、本当に見ていなかったのだ。だから彼女に「今女の人見てたでしょ?」と言われても、「見てないよ」と返したのは言い訳ではなく本当だった。ホントに見てない玉ヶ谷。

つまりこの二人は、本当に見ていなかった演技にすることで、『彼女と一緒にいるのに他の女性に気を取られて彼女を怒らせてしまう』というお題の設定すら変えてしまった。玉森は『自分がボーッとしていたところをたまたま彼女が勘違いしてしまっただけ』というシチュエーションに変えて、誰も悪くない状況を作り上げている。藤ヶ谷に至っては、彼女を抱きしめた時に「マイコを勘違いさせてしまったのは俺の責任」とまで言っている。『誰も悪くないけれど結果心配させてしまった俺が悪い』ということにして、他のメンバーとは圧倒的な違いを見せつけている。

特に「マイコが全然かまってくれないんだもん」と、他の女性を見ていた理由を堂々と彼女のせいにする北山とは正反対だ(笑)*1。個人的には、他の女を見てる見てないっていう些細な話題の時に「勘違いさせちゃったのは俺の『責任』」とか言い出すのは重すぎてムリーとか思うんだけど(笑)、でもこれでこそ藤ヶ谷である。サイコーです。

藤ヶ谷と玉森は、彼女を悪者にしないために設定すら変える。他のメンバーからすれば、「そんなのいいのかよーズルいよー」となるかもしれないけれども、この発想が出てくるということ自体がすごい。これか。これが、玉ヶ谷がキスブサの上位2TOPを担っている理由なんだなと思った。

 

以前から度々書いていますが、私は彼らに本格的にハマる前、あまりKis-My-Ft2という存在に対していいイメージを抱いていませんでした。主な理由は2つあって、1つはやはりSMAPとの抱き合わせ的商法が好きではなかったから。もう1つは、格差売り戦略があまりにもかわいそうに映ってしまったから。それは歌番組で見るような衣装格差だけではなくて、チラッと数回見た程度のキスブサでも同じ印象だった。初期のキスブサは、今ほどランキングに波乱もおきていなくて、たまたま見た回はいっつも玉森と藤ヶ谷が上位の印象だった。性格がひねくれている私は、「結局人気が全てなんでしょー。やってること関係無くて、この二人がやってればなんでもいいんでしょー。」と思ってしまっていた*2

キスブサをちゃんと継続的に見るようになってからわかったんだけれども、確かに人気もあるだろうけど、やっぱり玉ヶ谷が上位を取るのにはそれなりの理由があるのだね。自分を大切にしてほしい、お姫様扱いしてほしいという女性の理想に答えるべく、徹底してシチュエーションを考え抜いている。以前、今年の7月の終わりごろに発売された*3雑誌TVstationの『BUSAIKU下剋上!?』で、玉ヶ谷が「今自分達はスランプ状態だ」と自ら語っていたことがあって。

藤ヶ谷:この2人は、今まで上位をとってきたけど、これだけやってくると同じようなことで1位を取れなくなるというか、「新しいことで上位」を期待されるから、試行錯誤しちゃって、それでスランプに…。

玉森:そうなんだよ。最初の頃にいろいろ攻めすぎたから、それにかぶらない演技をしようとすると、ね。スタッフさんとの打ち合わせの時間も伸びたもん。今までと違う見せ方をしなきゃって思うと、どうしても時間がかかっちゃう。

すごく興味深いテキストだった。「どうせ何やっても上位なんだろう」という目で見られがちだと思うんだけど、その裏には上位常連だからこその難しさがあるという。それを同じ感覚で共有できる二人だからこその会話だと感じた。

 

もちろん、他のメンバーが考える時間が足りないとか、努力が足りないと言いたいわけじゃない。全くその逆で、全員真剣に考えている。全員真剣なのに、その方向性が間逆だったりするからそれがまた面白い。それに、キスブサのVTRを審査する女性は、作為的に選んでいるのか結果としてそうなっているのかはわからないが、とにかく「男性には優しくしてほしい」「お姫様扱いしてほしい」という理想が高い方が多い気がする。でも、女性が男性に求めるものなんて人それぞれなのだから、キスブサのランキングで良いとされたものが当てはまるかどうかはわからないし、下位のメンバーの方が自分のツボだと感じる方もいるだろう。

私が、キスブサを元々ストレートに楽しめなかった人間だからこそ、もしかしたらまだ世の中には、「どうせ藤ヶ谷と玉森は人気あるから上位なんだろう」って思って、食わず嫌いをしている方がいるかもしれないなって思うんですよね。

そういう方に、玉ヶ谷の上位なりの苦労とか、どんなランキングでも各メンバーの良さが出ているVTRの面白さとか、ランキングに共感できなくても結果として自分のツボのメンバーを見つけられればいいんじゃないかとか、

そういう、キスブサの魅力の本質的なところが伝わればいいなぁと、今回改めて感じたのでした。

 

*1:とはいえ、北山のVTRはこれぞ北山先輩という感じで北山先輩の中の満点でした

*2:今になって整理してみると、過去キスマイに対してひねくれた感情を持ちすぎで、よくこんな人間が今こんなに好きになってるなと自分のことながらびっくりする

*3:すみません、正式な発売日がわからない

考えるな、感じろ!

(最初に大変申し訳ないのですが、ここ最近一部で言われている疑惑の件に関して、千賀さんに対して厳しいご意見をお持ちの方は、今回はお読み頂かない方がいいかもしれません。本当は、そうやって読み手を制限することは書き手として失格かもしれないのですが、やはりご意見の違う方に読んで頂いても、今回は楽しくないかと思いまして。せっかくお越し頂いたのにすみません。以下、マジで気持ち悪い自分語りがはじまりますが、それでも良いよという方がいらっしゃいましたらどうぞ……)

 

私は今年の初めに本格的にキスマイにハマりました。では、それまでの25年間何をやっていたのかというと、そのうちの13年くらいSMAPのゆるファンで、それと重なるようにして、8年くらい別ジャンルのオタクをやっており、没頭し、いろいろな想いが抑えきれなくなってブログをやっていました。雰囲気やテンションは、ここに書いてあることとほとんど同じようなものです(笑)。ありがたいことに、自分の考えたことを書いているだけで、大したレポートもない、大した情報発信もしていないブログだったのに、面白いとか、毎日読んでますとか言って頂く機会もありました。

もちろん嬉しいコメントばかりではなく、時々厳しいご意見を頂くこともありました。でもそれは、一括りにせず一つひとつの内容を吟味して対応しておりました。自分の意図が伝わっていないと思ったり、読み手の方に誤解させてしまった際には丁寧に説明をさせて頂きました。「長文で気持ち悪い」といったようなコメントには、「そうですよね、私も自分で自分のブログを気持ち悪いと思いますので、お気持ちはよくわかります。本当にすみません」とお返事させて頂きました。

ただその中に、どうやって対応したらいいかわからないコメントがありました。それはたった一言、こういうコメントでした。

 『評論家気取りですか?』

評論家気取りですかと聞かれれば、「いいえ、評論家気取りじゃないです」と答えるしかありません。例えば、作品について点数をつけていたりとか、批判的なレビューを書いていたりするなら、そう言われても仕方がない。ただ私はそういうことはしておらず、自分の考えたことを書いているだけでした。それも別に無理をしてこねくり回して考察している訳ではなく、不思議と色々なアイデアが浮かんでくるのです。だから私にとっては、考えるというのは「作業」ではなく「自然発生」なんです。

それでも、なんと言うのかな、世の中には、長々と文章を書いているよりも、「楽しかった」「面白かった」っていう風にシンプルに感情を書いている方が、ピュアであり自然な行動だと捉える方も多いのだろうと知りました。それはわかるけれども、私の中ではその二つに差はなかったんです。だから、知りたかった。

逆に教えてほしい。

どうやったら、評論家気取りじゃない文章が書けるんだ。

 

 以前こちらで、「1番になれない人の物語」というのを書いた時に、少し触れたのですが、私の諸々の原点になっているのは吹奏楽なのではないかなぁと考えている今日この頃です。

mgmcnlife.hatenablog.com

別に大して上手でもなかったのですが、中高と6年間吹奏楽を続けてきた私は、その中でいろいろな経験をしてきました。特に印象に残っているのは、一見、音楽には関係なさそうな作業や練習方法です。曲の世界観を表現するにあたって、部員全体でイメージを共有するために、主旋律に歌詞をつけたり、曲がつくられる過程や作曲家の経歴を調べて発表したり。今でも覚えているんですけど、「フィンランディア」っていう曲をやった時は大変だったなぁ…。フィンランドがロシアに侵略され統治されていた時代に、その政策に対してフィンランド国民の怒りが爆発し、そこから壮大なフィナーレで歓喜へ向かうっていうことを表現した曲で……。

あ、すみません。どんどん話がズレていく。つまり私は、そういう経験を通して、「感じる」ことと「考える」ことの境目がなくなってしまったようなのです。そもそも吹奏楽でそうやって歴史や背景を考察するということは、聴く人の感性に訴えられる多彩な表現を身につけるためだと思うのですが、私の場合はいつからか手段と目的が逆になってしまって、「この曲で表現したいことはなんだろう」と、考えることの方が楽しくなってしまったようなんですね。それに気付いたのも最近なのですが。

だから、何を見ても、「感じる」前に「考えて」しまう。「考えるな、感じろ!」ってよく言いますけど、それってどうやってやればいいのって、ずっと思ってた。

 

約一ヵ月前、 9月16日に、DREAM BOYSの昼公演を見に行った。キスマイのコンサートに行く前にこちらに行ったので、玉森・宮田・千賀の3人を初めて生でお目にかかったのはこの時だった。加えて、初めて見に行ったジャニーズの舞台。目に映るもの全てが新鮮だった。私はそこでも「ユウタはこの時何を考えているんだろう」と登場人物の心情を図ったり、「この演舞ではこういうことを表現しているのかなぁ」とか「他の舞台とは違うジャニーズの舞台らしさとは何だろう」とか色々と考えてしまっていた。見ている間、頭がフル回転していたので少し疲れたけれど、もちろんそれはそれですごく楽しかったし、1部も2部も満足して見終えた。

本編が終わってSHOW TIMEが始まる。キスマイの3人は、濃いブルー地に、白とオレンジの模様がところどころに配置されている ジャケットを着ていた。なんかニモが泳いでいるみたいで可愛かった*1。曲はキミとのキセキ。舞台から少し離れていた席に座っていた私は、双眼鏡を千賀さんに向けて覗き込む。

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そこに映っていた彼の笑顔は、言い尽しようがないくらい本当にキラキラしていた。多分、ドリボ本編では、強気だったり挑発的だったり、カッコよくてキリっとした表情を見せていたことで、その落差で余計に笑顔がまぶしく映ったんだと思う。私の見える世界には、笑顔でキミキセの手振りをしている千賀さんしか映っていなくて、本当に素敵で、自分でもびっくりしたんだけど、幸せすぎてちょっと涙が溢れていた。本編では、チャンプが死ぬ場面すら一切泣かなかった私が!

なんで泣けたのか自分でもわからなかった。けれど、ただただ好きだと思った。ただただ幸せだと思った。キラキラ歌い踊るこの人のことを、ずっと見ていたいと思った。理由はわからないけれど。この時に初めて気付いた。千賀さんは、こんなめんどくさい性分の私に、「考える」より先に「感じる」を与えてくれる唯一の人だ。

正直に言って、なんで千賀担になったんですかって聞かれたら答えられないなってずっと思ってたんです。もちろん彼のダンスは好きだけど、正直私には全然ダンスの基礎知識がないから他のメンバーとの違いもあんまりわからないし*2。顔だってもちろんかっこいいけれど、私の本来のタイプかって言われるとそうでもないし*3。危なっかしい言動も、ハラハラしてしまう行動も、大丈夫かなって思うことも多くて、ハッキリ言って見てるだけで安らぎをくれるようなタイプでは全然ない*4

私には彼の何が好きなのか書くことができない。考えても考えてもなんで好きなのかわからないから。こんなんで好きって言っていいのかわからないなってずっと思っていたんですけど、でも好きなんですよね、見てると幸せだって思うんですよね。それでもいいのかなって思えた。

 

 

穏やかではない話題が彼の周りに漂い始めたのは、今月のはじめくらいからでしょうか。

最初は、ただの偶然に対してみんな騒ぎすぎだよ、って思っていたのが正直なところ。だから日を追うごとにどんどん話が大きくなっていったことにびっくりしてしまって、未だにあんまり気持ちがついていけていない。

結局今回の件で、一番難しいのは、これをどう捉えるかというのが人によって違うという、そこからズレがあるということではないかと思う。例えば、ツーショット写真が撮られてしまったというならもう決定的だし、もし恋人関係になかったとしても、そういう写真を撮られるということは自覚が足りない・もっと気をつけろと言われてしまっても仕方がないと思う。けれど今回って、彼と、相手方(名前を出すのも検索に引っ掛かりそうで嫌なので以下仮にAさんとしますね*5)のスマホケースが同じで、Aさんの撮った写真に彼かもしれない人が映りこんでいて…という、状況で。これをどう捉えるか。

私は、これだけで彼を責める気にはなれなかった。そもそも、その写真だって闇写?盗撮されたものだったわけだし、それを根拠にして、彼とAさんの画像を並べた検証画像とか作って、堂々と拡散されていく感じがなんというか信じられなかった。さらに日を追うごとに、ファンの中でも彼を責める意見が主流になっていく。自覚が足りない、裏切られた、応援している人を傷つけている…そんな辛辣な言葉が飛び交っている。

不快な思いをされた方がいらっしゃったらごめんなさい、こうやって思っていらっしゃる方のご意見を否定するわけではないんです。ただ、そういう意見が主流なのに、それに全く乗れない自分はおかしいのかなって思ってしまってそれがつらかった。加えて、「この状況で彼を擁護する方が盲目」みたいな意見を目にしてしまって大きなダメージだった。私は、別に「何があっても千賀さんのことを応援する!」と言えるような健気でおりこうなファンではない。そんなにピュアじゃない。真偽が曖昧な状況で彼を責めたくはないだけだ。だってスマホケース同じなだけで、本当に、本当に偶然かもしれないじゃないですか。これを根拠に、「自覚が足りない」とか「疑われることをする方が悪い」と言うのは、ちょっと厳しすぎるように私には感じられて。(こういうこと言ってるから盲目と言われるんでしょうけど)

さらに、私の「新規コンプレックス」が複雑に絡み合って、一層ことをややこしくする。そもそも私は以前から、とにかく自分が新規だという事実が何をしていても抜けなくて、私よりも昔から応援して来ている方のことばの方が、価値や重さがあるように思えてならなかった。特に、横宮二千のファンだとより一層。彼らが歌番組でもほとんどカメラに抜かれず、自分達のMVですら映らず、それを舞祭組として吹っ切ることも出来なかった頃から応援している方と比べたら、自分はそういう時の大変さを何にもわかっていない。だから、「今までずっと応援してきたのに…」っていう感じの言葉が加えられていると、新規コンプレックスが発動してしまって本当に苦しかった。……って、こういうのにダメージを受けちゃうなら、Twitter開かなきゃいいのにねぇ(笑)わかってるんですがやめられない。良くない。

そうですよね、そういう意見の方が主流になっているのは仕方ないことですよね、私は最近ジャニーズの世界に足を踏み入れたばかりで何も分からなくて、空気が読めていないのは私の方ですよね、あぁ、いい年して深く考えずに軽率にジャニーズの世界に足を踏み入れたりするからこんなことになったのかなぁ、でも毎日楽しいんだよなぁ、完全にジャニオタになるなんて無理だと思うけど、完全に一般人になることももう無理だと思うんだよなぁ、あぁ、もう、どうしよう、

……と、ぐるぐる考えていた時に気付いた。あっ、私考えてる、って。

考えるのやめよう。私はこの人の何が好きかすらわからないんだ。それなのに、もっと複雑なことを考えていたって仕方がない。多分答えは出ないし、他の人の考えを無理矢理自分のものにしようとしたってきっとできない。それなら、自分の感じたことを軸にしようと。

笑顔でキラキラと歌い踊る千賀さんが大好きです。バラエティでちょっと空回りしつつも頑張ってコメント残そうとしている千賀さんが大好きです。ハードなスケジュールの中でも弱音を吐かずに頑張っている千賀さんが大好きです。だから、もし、お仕事やパフォーマンスで手を抜いていると感じられた場合はちょっと…いろいろ身の振り方を変えるかもしれないけれども、とりあえず今は、目に見えるところで全力を尽くしてくれれば、それでいいです。

こんなめんどくさい私に、考える前に感じさせてくれるアイドルは、

いまのところ、世界であなたしかいないから。

 

 

アイドルの熱愛疑惑って本当に大変ですね。今回身に染みてわかりました。正直、本人が本当に付き合っているかどうかなんてもうどうでもよくて*6、それよりも、異なる意見を目にした時の自分の気持ちの持ちようとか、自分のスタンスを確定させなければしんどくなる感じとか、クズみたいなゴシップサイトにあることないこと書かれたりとか、Googleで「Kis-My-Ft2」って検索しただけでクズみたいなゴシップサイトのクズみたいなタイトルが目に入ってきてしまってダメージを受けたりとか、そういう周辺のことの方がよっぽど大変なんだということが、本当に、本当によくわかりました…勉強になります…(←なんの)

今回、この文章を8割方くらい完成させたところで、いつアップするかずっと迷っていました。毎日毎日状況が変わるし、落ち着いてきたところでぶり返すのもどうなのかなって思っていたし。また来週になってちょっと大きく動きそうな案件がでてきたから、それが終わってからにした方がいいかと考えたんですが、でも今の気持ちをとりあえず形として残しておく方がいいのかなと感じて今日完成させちゃいました。これからいろいろあると思うけれど、迷ったらここに戻ってくるということで。

とりあえず、本件に関しまして私がここに書くのは最初で最後

……に、したい、と、思っている所存です(苦笑)

 

*1:ファッションに対するこの絶望的なセンスの鈍さ、すみません・笑

*2:ひどい

*3:ひどい

*4:ひどい

*5:本当はSさんにしようかなと思ったけれど千賀さんもSだからややこしい、ってそんな話はどうでもいいですね

*6:ひどい