重箱のすみ

アイドルとの距離感の取り方は、いつまでたっても難しい

拝啓、未来の私へ

拝啓、未来の私へ

 

こんばんは。私は、2016年12月のさゆです。

この文章は、いつ読むかはわからないけれど、未来の私に向けて書いています。

今、何年ですか。あなたは今何をしていますか。

仕事は順調ですか。今より少しは昇給していますか。してるといいですね。

結婚生活はどうですか。と言っても、多分まだしていませんね(笑)

……SMAPの5人は元気ですか?

 

これは、2016年12月の私が、いつ読むかわからないけれど、未来の私へ向けて書く、壮大な言い訳の手紙です。

どんなに苦しくても、つらくても、人の気持ちは移り変わる。

ちゃんと書いておかないと忘れてしまうかもしれないから、この一年のことを、改めてまとめてみることにしました。

 

2016年1月13日から、世界が変わってしまいました。

その前日、私は、つよぽんがゲストとして呼ばれていたテレビ朝日の「中居正広のミになる図書館」を見て、いっぱい笑っていました。つよぽんの自由奔放さと、それに呆れながらも付き合う中居*1の二人の関係性を、にやにやしながら見守って、あー楽しかったと思いながら眠りにつきました。

そして13日の朝、起きると、日刊スポーツとスポーツニッポンによる解散報道で、世間は大騒ぎになっていました。私は、前日に見た、中居とつよぽんの姿からは想像もできないこの事態に、本当に驚いてしまいました。

そこから、1月18日のあの生放送の公開謝罪。それ自体は、今思い出しても悲しいし怖いものだったし、世間的には非難ごうごうでイメージは悪くなってしまったものの、これからもSMAPを見続けていけるものだと思っていました。しかしその後、8月10日の解散決定報道。私は、1月の時にも「きっと最後は何とかなるって信じていいかな」などと書いていて。ちょっと楽観視しすぎていたのかもしれないと、そこで初めて気が付きました。

それからはもう、あまり記憶がありません。解散報道後の数週間、自分がどうやって生きていたか、あんまり思い出せません。無力感や絶望感、不信感に支配されて、どうしたらいいかわからなかった。大げさかもしれないけれど、11歳のころからずっと私を支えててくれていたものがなくなるという事態に対して、どうしたらいいのかわからなかった。

いろんな人が、いろんなことを言いました。そのたびにいろいろとショックを受けました。しかし中でも一番ショックだったのは、8月の「ミヤネ屋」での、コメンテーターの橋本五郎さんのコメントでした。

そもそも橋本さん*2は、1月のはじめの解散報道の直後に、このようにおっしゃっていた方でした。

今まで一生懸命育ててくれた人を大事にしようとすると、今の事務所と対立しなければいけない。そういう状況に追い込むということに対して、一体事務所はどう考えているのか。ようするに一つの財産なんですね、このグループは。単なる、事務所のイチ雇い人ではない。

これは私の考えと非常に近いものがありました。もちろん、詳しい内情など私にわかるわけはありませんが、芸能界に当たり前のようにある「事務所を出て独立するなんて恩知らず」みたいな考え方ではなくて、事務所を出るという選択肢があってもいいのではないかと思っていたからです。今まではそんなの許されないという画一的な対応だったかもしれないけれど、それが自由になってもいいのではないかと思っていたからです。しかし、ここまで切り込んでコメントしてくださる方はほとんどいませんでした。この時点では、どの番組のワイドショーのコメンテーターもみんな、「解散本当なのかなーいやだねーかなしいねー」みたいなテンションだったのです。だから私は、さまざまなしがらみなど気にせず、ハッキリ言ってくださったことに本当に感謝していたのです。

しかしその後8月、解散決定報道のあと、橋本さんは、「もう解散が決まったんだから、大人なんだから、最後は笑って爽やかに終わりなさい」的なことを仰っていました。

私は、当初のように、現状に疑問を呈してくださっていた橋本さんのコメントとの変わりように悲しくなってしまいました。けれど、橋本さんを責めるつもりはありません。もう、めんどくさくなっちゃったんだろうなって思います。最初は批判的に疑問を呈していたのに、8ヶ月の間、事務所外の人間には経緯が全く分からず、真相は闇の中。ブラックボックスの中で色々なことが決まってしまった。そして、それが許されることに対して、「芸能界とはこういうのがまかり通るものなんだ」と、めんどくさくなってしまったんでしょう。もう一回言いますが、橋本さんを責めるつもりはありません。芸能リポーターじゃないのに(だからこそ)、ここまでちゃんと言ってくださったことには本当に感謝しています。

ただ、これを通して改めて実感しました。人っていうのは変わるものなんだ。そして、変わってしまってもいいし、それが普通なのだと。

そう思ったら何だか、一歩引いて、状況を見られるようになってきたような気がしました。それが9月中旬くらいかな。

今までずっと、ずっと、一点を見つめて、事務所はひどい、何で事務所はこんなに冷たいんだと、ほとんどその一点の思いだけだった私ですが、そこから少し引いて、広く視野をとってみると、いろんな人がいて、いろんな意見があるということに気付きました。そしてちょうどその辺りから、「違う意見の人」に対する攻撃が強くなってきたことにも。

いろんな人がいて、いろんな意見がある。「事務所が全部悪いんだ!」って思っている一部のSMAPファン。そんなSMAPファンを見て「過激なスマオタのせいで事態が悪化している」って思う人。SMAPファンの中でも解散させまいと頑張る人、解散してほしくはないけどもう静かに見守る人、そしてもう解散してもいいんじゃないかと思っている人。みんな、往々にして、「前提」が違うのだ。

一生分かり合えない、一生分かり合えない。「本人達が辞めたいって言ってるのに署名して辞めさせないのは酷」って言ってる人と、「そもそも本人達が本当に辞めたいのかどうかわからない」って言ってる人は、前提が全然違うから、どんなに言葉を投げつけあっても一生分かり合えない。

一生分かり合えない、一生分かり合えない。「『SMAPを連れて出ていけ』って言ったのは事務所の方だから独立しようとしたのに」って言っている人と、「どんな理由があれ恩ある事務所から独立するのは非常識だ」って言ってる人は、きっと一生分かり合えない。

一生分かり合えない。一生分かり合えない。「SMAPは事務所からハブられていたんだ」って言っている人と、「事務所がハブったわけではなく後輩との共演を切ったのは飯島の方だ」って言っている人は、きっと一生分かり合えない。

一生分かり合えない。「恩ある事務所を辞めて独立しようということ自体が非常識」と考える人と、「これだけ貢献してきたんだから独立してもいいんじゃないか」って考える人。逆に、「酷い扱いをされてるんだから独立しようとするのは当たり前」と考える人。っていうかそもそも、「SMAPが本当に独立を考えていたとは思えない」っていう人もいるからもう余計一生分かり合えない。

一生分かり合えないよ。「SMAPは不仲じゃない!事務所の作ったシナリオだ!!」って言っている人と、「何で現実を受け入れられないの?」っていう人は、きっと一生分かり合えないよ。

私はどんな意見があってもいいと思っているけれど、自分と違う意見の人にひどいことばを投げつけあうのは本当にやめてほしい。そうしても、相手はあなたの思うようにはならない。

「前提」が違うんだから、それをいくら説明したって、納得できるはずがないんだよ。

わかりあえないよ絶対。全然、全然違うんだよ。

 

私は、いろんな意見を見て、いろんなことを考えて、そして今思っているのは、5人か、あるいは4人が、事務所を出ようとしていたのは本当なんだろうなということ。そして、ある程度のところまで独立の話が進んでいたけれど、何かしら条件面で折り合わないところがあり、それは双方が「許してもらって当然」「許さなくて当然」と思っていたところだったので、それ以上の話が進まなくなり、そこからそれでも独立したかった組と今後のことを考えて残る方向にした人で分かれてしまったのだろうな、と思っています。でもそれも当然、私が考えているだけで、根拠はありませんし、こちら側が知る由もありません。詳しい事情はきっと一生わからないのだろうなと思います。

私は当初、ジャニーズ事務所SMAPが気に入らなくて、嫌がらせしてて、解散させようとしてるんじゃないかと思ってた時期もありました。でも、今は、それもちょっと違うのかもしれないなって思います。なんか、事務所の一部幹部のみなさんは、SMAPのこと、好きとか嫌いとかじゃなくて、興味がなかったんじゃないかなって。

興味がないから、別に、「独立したいんだったらじゃいいよーどぞー」となるし、それでいろいろ条件を確認してたら、「それだけは譲れないよ当たり前でしょー」というところが出てきて、そしたらなんかメンバーが独立諦めたから、事務所に戻ってきたいって言ったから、「じゃどぞー」って言ったのに、なんか世間やファンから叩かれ、ファンからコンサートの要望が出たから「やってー」って説得したのに、本人達が納得しない上に解散って言いだしたから、「解散したいならどぞー」って言って、解散が決まったのに、それからも事務所は一部ファンから叩かれ、署名を受け取っても叩かれ、「何が悪かったの~?なんで叩かれなきゃいけないの~?」って……本当にそういう感覚なんじゃないだろうか。

もしそうだとしたら、これは、「嫌がらせを止めろ」というよりよっぽど難しい。

興味のない人に「興味を持って」って言っても、持ってくれるわけがない。

興味のない人に、興味を持たせる方法なんて、私にはわからないよ。

 

それに、責めるとしたら、言うとしたら、きっと、もっと前じゃなきゃいけなかったんだ。独立したいと思わなくても済むように、もっと双方でちゃんと話しあって、「別に興味なくてもいいですからすれ違いが起きないように意志の疎通だけはちゃんとやって頂きたい」って、もっと前から言うべきだったんだ、本当は。本当はちゃんと言うべきだったんだ。

でも私はそうしなかった。SMAPがおそらく事務所の大部分とうまくいっていないであろうことなんて明白だった。でも、彼らの「王道アイドルからはちょっと外れたところ」自体がSMAPらしさっていうところもあったから、余計その自体が見えづらくなっていた。それも含めてSMAPみたいなところがあったから。

去年のFNS歌謡祭のこと。会場は「飛天」で、アーティストが歌っているところを、他のアーティストが座って見る形式で。トリはSMAPだったんだけれども、その時にジャニーズのアーティストはもうテーブルにはいなかった。一体どういう事情かはわからないが、SMAPが歌い始める前に退場してしまったようだ*3。それを見ていたある方が「テーブルにジャニーズが誰も残っていないからSMAPの出番そろそろだよ」という感じで自虐的にツイートしていらっしゃって、私はそれを見て「ちょwwwつらすぎwwwww」とこれまた自虐的に処理してしまっていた。本当はすごく傷ついていた。けれどネタ的に笑って処理しないとやってられなかった。

こういうときに、一回一回、きちんと、抗議して、声をあげていたら、何か違ったんだろうか。

きっと、別にこういう時にファンが何を言おうが言うまいが、対して結果は変わらなかっただろう。それでも自分を納得させるために、もう少し動いておけばよかったのかもしれないという思いが残る。

 

だから、本来なら、今、もっと声をあげるべきなのかもしれない。そうしないときっと、未来の私が後悔する。そう、今これを読んでいるあなたが後悔する。それはわかっています。もし、何年も先に、新たな事実が明らかになったとして――例えばスマに対して圧力的なものがあって無理矢理解散させられるんだということがわかったとしたら――あなたは私を責めるかもしれませんね。どうしてスマのことを最後まで信じなかったんだって。どうしてあの時もっと本気で解散反対の声を上げなかったのかって。

そう思われても仕方ないと思います。でも、もう私は、今の私は、限界です。

一言で言うと、私が好きなSMAPではなくなってしまったような気がするのです。私は、解散ももちろん悲しいですが、それ以上に、私の求めているSMAP像と、今の姿が大きく変わってしまっていることが悲しいのです。

私は1月からずっと言ってきました。きっとファンの人達は大丈夫だと思う、何があってもついていく。けれど、一般の人達はそうではない、何でも信じられないし、何でもついて行けるなんてことはないだろう。だから、そういう人達にわかってもらえるような努力をしてほしいって。それはSMAPが、「ファン」だけではなく、「ファンではないけどなんか好き」程度の人達の心を掴んで大きくなってきたグループだからです。別にSMAPのことを追っかけてるってわけではないけど、5人の名前は言えるし、5人のキャラも知ってるし、スマスマも時々見るし、歌番組で見ると「やっぱSMAPってすげーなー」って思う程度の人達がたくさんいるはずです。その存在がSMAPというものを大きくしてくれたと思うのです。けれど、そういう人達は当然、「飯島さん」っていう存在なんて知らなかっただろうし、ジャニーズのこのここ数年激化してしまった派閥問題も知らないでしょう。だから突然こんなゴタゴタが巻き起こって、何が何だか分からないかもしれない。そういう人達にもわかってもらえる努力をしてほしいんです。

けれど実際は、そうやって、ファンじゃない人達に理解してもらえるような努力が、あまり見えてこなかったっていうのが正直なところのように思います。中でも私は、さまざまなバラエティ番組での中居の態度に段々、腹が立つようになってしまいました。中居は解散報道後しばらくしてから、バラエティでの場でウエンツ瑛士さんと共演した際に、ウエンツさんに対して「あの騒動でさぞかし喜んでたんでしょうね!?」などと言ったりしていました。さらに、「ナカイの窓」では、自分があえて席を外し、その間に出演していた芸人さん達が「SMAP解散オレはいやだよ~」のように言う場面がありました。それに加えて、キスマイの二階堂さんも出演していた、トークメインの番組で、「本人にしか分からないことがあると思います!」と発言し、これは別の話題だけれども、一連の騒動のことを想起させるような発言をしていたこともありました。

どうして、中居はどうして、遠回しなことばっかり言っているのでしょうか。

ここからが難しいところなのですが、同じ事態を見ていても、それに対してどう思うのか、どう捉えるのかというのは、人によって全然違うんです。「SMAPは例え事務所の圧力があったとしてもそれにおれるような人達ではない」と思う人と、「そんな強いSMAPでも窮地に立たされるほど今回の事務所の圧力は大きいんだ」って思う人は、もうそもそも考え方が全然違う。

私はやっぱり、SMAPにちゃんと語ってほしい。例え圧力があったとしても、それを跳ね飛ばして、自分たちの力でちゃんと言葉にしてほしいよ。もしかして、本当に言いたくても言えないような環境にあるのだとしたら、私のこういう言葉がさらに追いつめることになるかもしれないとも考えるし、そうなってしまったら苦しい。それでも、それでも、やっぱり思うんだよ、ねぇ、中居さん、このままじゃ嫌なんだよ。

……ねぇ、言えよ!!言えよ、全部!言いたいことがあるなら全部言えよ!「本人達にしかわからないことがあると思います!」じゃないよ、そこまで言ってるんだったら全部言えよ!!

スポーツ紙は基本的に全部事務所側の見解だ。それはそれで一つの真実なんだろう、でもSMAP側からの言い分は私達には全然わからない。あなたの言い分を教えてよ全部。今の状況に納得してないなら、言い分があるなら、最後まで戦って、裁判でも何でもすればいいよ。裁判なんてしたらアイドルという幻想が壊れると思う人もいるだろうけれど、私にしてみればもう、この一連の騒動が始まった時点で、そんなのとっくに壊れていた。だって、1月の時点で、私の職場の40代の女性の先輩達が、それまで一切SMAPの話なんてしているところを聞いたことない先輩達が、「SMAP大変なことになってるね~」「なんか、飯島さんっていうマネージャーさんが関係しているんでしょ~?」って言ってたんだよ。私はもうびっくりしたよ。特にファンではない人達にまで、こんなごたごたした状況が知られてしまってるんだからもう無理だよ。それなら徹底的にやってくれればいいよ。

それが無理なら、それが無理ならもう、話題にするのもやめてほしい。ネタにするのもやめてほしい。そしてウソでもいいから、最後は笑っている姿を見せてよ。SMAPでできることは全部やり切ったっていう姿を見せてよ。それがウソだとわかっていても、私は、騙されたフリして、そのウソを信じるよ。

どっちかにしてほしい。不満があることばかりにおわせて、こちらにやるせなさやもどかしさだけ残して。ファンに出来ることなんて、結局なんにもないんだよ。

こんな終わり方は嫌だ。「いつか再結成する日を信じて」「また集まりたくなるかもしれないから」って意見もあるかもしれない。確かにそれはわかる。私も信じたい。けれど、その「いつか」って、いつ来るのかわからないじゃないか。「いつか」なんてないよ、「いつか」なんて来ないよ。極端なことを言うけれど、明日生きているかどうかだってわからないんだよ。大きな災害を目の当たりにして、今の生活がいつか突然終わってしまうかもしれないって、今があるのは当たり前じゃないって、みんなそういう意識がどこかにあると思う。「いつか」なんてないよ。みんなに平等にあるのは今だけなんだ。今は今しかないんだよ。だから、「今」にちゃんと決着をつけてほしいんだよ。

そう思っているから、現状が、苦しくて、悔しくて、残念で。

つい数ヶ月ほど前の自分は、こんなに、メンバーを攻めてしまうようなことを言うとは思っていなかった。人って、変わるんですね。それを身をもって実感しました。

 

自分のめんどくささは、自分が一番よくわかっている。

だから例えばもし、SMAPが奇跡的に再結成することになったとしても、あなたはきっと「2016年に本気で解散阻止の声をあげなかった私は素直に喜ぶ権利がない……」「なんで私はあの時もっとがんばらなかったんだろう……」とかなんとか言うでしょう。もしそうなったとしたら、きっとそう思ってるでしょう。もうわかります。だってあなたは私なんですから。それはもうわかってる。

だけど、今の私は限界です。求めるSMAP像と、現在の状況が違うことに耐えられなくなってしまった。そして、それは誰か一人を責めればいいというものでもない。誰か明確な悪役がいて、その人を倒せば全てが解決するというならいいけれども、実際の世の中はそううまくいくものではないということもわかっています。だから気持ちのやり場がない。ずーっと長々書いてきましたけど、だからこれからどうするのかっていうのは自分でもよくわかりません。

どっちつかずの私の気持ちが、世の中の全ての人にわかってもらえるだなんて、最初から思っていません。

だけど、未来の私にだけはわかってほしいんです。

あなただけにはわかってほしい。

今の私のことを許してください。

あなたはきっとわかってくれると思っています。私は常日頃からずっと、「ファンじゃない人にどうやって届けるか」というところに苦心している人に惹かれるのです。私はいろんな人のいろんな意見にすぐに揺られてしまうけれど、これだけは私の絶対に譲れないところなんです。

好きな人は、多くの人に愛されて幸せに生きていてほしいんです。世の中のほとんどは「ファンじゃない人」です。厳しい目で見ている人達にも、いつか伝わってほしいなって思うんです。以前から度々言っていますが、長く活動を続けていくためには、濃いファンを獲得するのももちろんですが、「ファンじゃないけど結構好きだよ」と言ってくれる一般人を増やしていくことも大切だと思うから。そうやって、「好き」と「嫌い」できっぱり2等分するような感じではなくて、色々なレベルの「好き」があって、グラデーションのようになっていくのが理想だと思っています。SMAPはその立場をある種確立させた人達だと思います。それが彼ら自身のアイデンティティにもなっていると思うんです。だから、本当は、今そうやって、「ファンじゃない人にもどうやったら理解してもらえるか」ということをもっと考えてほしかった*4。それは私がどうしても譲れないところだし、もし現状解散は変わらないのだとしても、どうか本人達がそれをもう一回考え直して欲しいと思ってしまいます。

 

 

最後に一個だけ。

ここまで書いてきて、元も子もない話なんですが、ぶっちゃけ、未来の自分に向けて手紙を書きたいなら、わざわざインターネットで、全世界に見えるところに公開する必要ないですよね(笑)←

それでも公開するに至った理由が3点。

1つ目。本当に手紙を書いたら、あなた絶対なくすでしょ。服や靴でさえ平気でなくすんだから、手紙なんて絶対にすぐなくすでしょ。部屋片付けてますか?絶対片付いてないでしょ。片付けてくださいねちゃんと。……まぁ、だから、なくさないようにここに書きましたとさ(笑)

2つ目。公開するっていう目標がないと、絶対に書けないから。今こんなに苦しくても、つらくても、時が経てばきっとこの思いは次第に薄れていく。あなたが思い出そうとしても、思い出せないこともきっといっぱいあると思ったのです。今の感情は今しか書けないから。それでも、書こうとすると、うまくまとまらなくて、全然ペンが進まなくて、現実に直面するのがつらくて。だから、何としても年内中に公開するっていう目標のために気合いと根性で書ききりました。

そして、3つ目。……まぁ、1つ目と2つ目は……ぶっちゃけカモフラージュだよね笑……(←こんなすぐ白状するなら書かなきゃいいのに)

一番の理由は、今の私と同じように、日本のどこかで苦しんでいるSMAPファンと、少しでも気持ちを共有できたら良いなと思ったからです。

いろんな人が、いろんなことを言います。そしてどうしてもネット上で目立ってしまうのは、強い思いを持っている人の意見です。「全部事務所が悪いんだ!事務所のせいでSMAPは解散させられるんだ!!」って全面的に信じている人。署名活動や新聞の広告などで一生懸命活動する人。一方、他のグループのファンで、「事務所は何も悪くない、5人が勝手に分裂しただけ。他G担からしたら迷惑」って辛辣な意見を言っている人。また、SMAPファンだけれども、もうすっぱり諦めて個人の活動を応援しようという人もいらっしゃいます。

強い思いを持っている人達に共通するのは、「ぶれない」という点です。何があっても、ご自身の意見は変わらないし、揺るがない。私はそれが、悪いとは言わない。うらやましいと思ってしまうのです。

ブログやツイッターをやっていて、一番感じるのは、「ネット上で一番ダメージを受けやすいのは自分の意見を確定できない人だ」ということです。私は偉そうにこんなブログを開設し、好き勝手言い、今回の記事もほぼ1万字も書いていますが、いつだって大した主張はできていないのです。あれもわかる、それもわかると、いろんな人の意見を取り入れて、勝手に自滅していくのです。私は自分のことながら、それが本当につらくて、「自分の意見がどこかに固定できればいいのに」とずっと思っていました。事務所悪ならそれでもいい、SMAP解散反対ならそれでもいい、メンバーに不満をぶつけるならそれでもいい。でも、一つに固定できないのです。そういう思いが全部混ざり合っているのです。

そのことに対して苦悩していたとき、以前あるフォロワーさんから言っていただいた言葉を思い出しました。「真逆の意見に共感してしまったとしても、それを『揺れている』と捉えるのではなく、両方に共感していること自体が自分の意見だと思えるようになると、少し楽になりますよ」と。

複雑な事態には、複雑な要素が絡まり合っていて、その一つひとつに対する自分の考えは違う。世の中には自分の意見を確定させることができる人ばかりではない。そういう人達は目立つし、行動力もあるし、憧れることもあるけれど、それこそ「育ってきた環境が違うから」、そういうふうになりたいと思っても無理矢理なれるわけではないと思うのです。私の感情は誰かに完璧に理解してもらえるようなものでもないと思うし、それは私が他人に対する場合でもそうです。

だから、意見を確定できない人はきっと、それでも良いと思うのです。無理矢理どちらかに傾けようとしても、それが楽な道のように思えても、絶対、どこかでつらくなる。それも含めて自分です。複雑さに向き合う勇気を持つしかない。

私は、事務所にも腹が立つところはあるし、メンバーにも頭に来たことはあるし、こんな形でSMAPが終わってしまうのは本当に残念だけれども、だからといってどちらか一方が全て悪いとは言えないし、

解散は本当に悲しいけれども、もう十分私達のために生きてくれたんだからそろそろ自分のために生きてほしいという気持ちもあるし、

どうしてこんなことになったんだって思うし、こんなに好きじゃなければこんなにつらい思いをすることもなかったんだろうかって思うこともあるけれど、それでも、私がSMAPを好きだった期間の思い出が全て消えてもいいかって言ったらそんなことはありません。 

苦しいし、悔しいし、もどかしいけれど、私はきっとずっとSMAPが好きなのです。

きっと、未来の私――そう、今、これを読んでいる、あなたもそうでしょう?

 

今、何年ですか。あなたは今何をしていますか。SMAPの5人は元気ですか?

どんなに残念な最後になってしまったとしても、今まで好きだった歴史が変わるわけではない。SMAPに励まして支えてもらった私の人生が変わるわけではない。彼らの功績が消えるわけでもない。

あなたが、複雑さに向き合いつつも、今もSMAPのことを愛してくれていたら、私は嬉しく思います。

 

敬具

 

 

 

(1年間いろいろなことを書いてきました。人の意見が変わっていく様子をお楽しみください)

 

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*1:あらためて言わせていただくと、私はSMAPの中で特に中居と木村は歴史上の人物のような偉大さを感じているので、「中居さん」と敬称をつけるのが逆に不自然に感じるため、こうやって呼んでいます。織田信長に「織田さん」って言わないのと同じようなものです

*2:細かいことなんですが、普通は橋本五郎さんのこと「ごろうさん」って呼ぶと思うんですけど、SMAPにもごろうさんがいるのでここは橋本さんにします・笑

*3:ちなみにキスマイは残っていたようだが、確かSMAPが歌っている時にはその姿は映らなかったと思う。歌の後の提供画面、そしてエンディングでその姿が確認できた

*4:まぁ現状はファンも理解できていないところではありますが